全長56キロの六甲山縦走、完走続けること連続200カ月! “偉業”達成の長谷川さん「来月からも走るしか」と笑う理由 兵庫

200カ月連続の六甲山縦走達成に向け、仲間たちと走り始める長谷川さん=神戸市須磨区

 神戸市須磨区から兵庫県宝塚市までの約56キロを踏破する六甲山縦走に、毎月欠かさず挑戦してきた会社員、長谷川勝也さん(60)=同県姫路市=が、200カ月連続での完走を達成した。毎月フルマラソン以上の距離の山道を走り続けてきた長谷川さん。「1人ではとてもここまでの記録は残せなかった」と、ランニング仲間たちと喜びを分かち合った。(森下陽介)

 ランニングが趣味の長谷川さんは2005年、マラソン後半に失速する弱点を克服するため、より長い距離を走る六甲山縦走を練習に取り入れ始めた。過酷さにくじけそうな時もあったが、気付けば一緒に縦走する友人も増え、06年11月からは毎月の挑戦が目標になった。

 ハイキング客にも人気の六甲山だが、コースは難所の連続だ。急な上り坂が続く菊水山、登り切るのに1時間かかるという摩耶山…。ただ疲労がピークに達したころ、仲間たちとゴールする時の達成感が毎回、次の挑戦への原動力になっている。

 節目の200カ月目の挑戦となった今月3日午前7時、長谷川さんはスタート地点の須磨浦公園駅前に、友人ら6人と集合した。会話もそこそこに、須磨浦山上遊園方向への急な階段に足をかけた。前日の雨で足場が悪く、滑らないよう慎重に足を進める。雑談を楽しみながら、走ったり、時には歩いたり。自己ベストは6時間28分だが、この日はルートをかみしめるように、2倍近い12時間半かけてゴールした。

 長谷川さんは六甲山を走る時に毎回、「毎月六甲山縦走 ○月目」と記してラミネート加工したシートを、リュックの後ろに貼り付けている。記録を更新するたびに次の数字のシートに貼り替えてきた。現在、数字はすでに300カ月目の分まで用意しているという。

 長谷川さんは「あまり今後のことは考えていないけど、もう100カ月分を作ってしまっている。来月からも走るしかないのかな」と笑う。次の節目となる2031年10月に向け、新たな挑戦が始まる。

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