茨城・結城の江川北小が大臣表彰 児童の読書教育に力 1人年間50冊、9割超達成

図書室カウンターで本を借りる児童ら=結城市田間

児童の読書教育に力を入れたとして、茨城県結城市田間の市立江川北小(栗山良一校長)が本年度の文部科学大臣表彰を受賞した。同校教諭で図書主任を務めた田中千恵さん(55)は全校児童が年間50冊を読むことを目標に、率先して読書量を増やす工夫をしてきた。児童約150人の9割以上が目標を達成するなど成果を挙げている。

田中さんは2020年度から3年間、図書主任を務め、読書推進に取り組んできた。学校司書と連携し、児童が図書室に行きたくなるよう、季節に合ったイベントを企画。今春はパンダに関する本を読んでスタンプを集める「春のパンダまつり」を実施した。スタンプがたまると、学校司書や図書委員が手作りした景品をプレゼントし、児童たちを楽しませた。

図書室に慣れ親しんでもらおうと、1、2年生は週に1時間、図書室で本に親しむ時間がある。授業が始まると、貸し出しカウンターには児童の行列ができる。同校の貸し出し上限は4冊。児童のほとんどが上限に近い数を借りていく。2年の福田凜音さん(7)は「いつも4冊借りる。魔法が使えるお話を読むのが好き」と話した。同じく2年の山中葉南子さん(7)は「1年生の時は500冊読んだ。2年生でも頑張りたい」と張り切っている。

ほかにも年間50冊、100冊読んだ児童への表彰や、クラス担任による読み聞かせの推進、空いた時間を活用した読書の呼びかけなど、児童の意欲を引き出すよう取り組んだ。田中さんは「1、2年生は週に1度の図書室学習を楽しみにしてくれている。これをきっかけに読書の面白さを知ってくれたらうれしい」と話した。

読書教育を担当した江川北小教諭の田中千恵さん=結城市田間

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