ソロ・デュオキャンプ向け最高峰シェルター!ogawa(オガワ)「ツインクレスタS T/C」を徹底レビュー

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こんにちは、みーこパパです。キャンパルジャパンのogawaより2023年新商品テント「ツインクレスタS T/C」を実際に使ってみてレビューしました!兄貴分の「ツインクレスタ」も以前レビューしまして、文句のつけようがなく最高と評しておりましたが、小さくなってどうなったのか?早速ごらんください。

ogawa「ツインクレスタS T/C」とは

「ツインクレスタS T/C」は、キャンパルジャパン・ogawaブランドの人気商品「ツインクレスタ」を1~2人用に小型化して、主素材にT/Cを採用して2023年に発売されました。

一見したフォルム的にはパップテントのようですが、Y型ポールを使うことで上部空間にゆとりのあるツーポールシェルターになります!

シェルターですので、床となるグランドシートはありません。

この形はロングセラーのツインピルツシリーズなどがありまして、ogawaの得意のするところです。さっそく細部をチェックしていきましょう!

「ツインクレスタS T/C」細かい部分チェック

【1】豊富な設営バリエーション

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兄貴分のツインクレスタと同様、ツインクレスタS T/Cも様々な設営バリエーションを楽しめます。

まずはオーソドックスな正面パネル跳ね上げ。跳ね上げポールには170cmのポールを使用。跳ね上げたパネルの左右には、雨や風を防ぐサイドウォールフラップがあります。

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サイドウォールを巻き上げて、開放的にすることも。プライベートな空間を確保しつつも景色を楽しめる、好天時にはいちおしのスタイルです。

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前後のパネルを跳ね上げて、さらに開放的に。風が通り抜けて、オープンタープの快適さを味わうことができます。

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前後面のパネルは、地面から3分の1ぐらいの位置でトグルで巻いて固定できます。視線を遮りプライベートを確保しつつ換気ができますので、寝苦しい夏の夜などに最適。

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寒い時にはフルクローズ。全周にスカートがあり、雨風の侵入もなく暖かく過ごせます。春や秋の夜など意外と冷え込んだ時にも、閉め切れば暖房がなくともけっこう暖かいです。

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前後左右全て開放し、積極的に風を通して素早く乾燥させられます。これは撤収前にありがたい機能ですね。

地面と接触していて湿りがちなスカートはポリエステルですので、乾きも早いです。

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4方向を全開で過ごす幕内もまた、乙なものです。T/C素材は遮光性が高く、直射日光を遮って濃い日陰を作ってくれますよ。

【2】Y型ポールで余裕のある頭上空間

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ogawaのアテリーザ、ツインクレスタと同様にY型ポールを採用。組み立ては挿し込むだけで簡単です。

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シェルターを真横から見た断面が、三角ではなく富士山型になります。壁面までの距離が広めに確保されて、広々と過ごすことができますよ。

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通常付属するのはY型ポールですが、オプションで二又フレームもあります。

より広く空間を使えるようになるので、2人で使う方には特におすすめしたいオプションです。設営難度はY型ポールとほとんど変わらず、プラス1分ぐらい。

【3】細かい部分にも工夫が光るogawa品質

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左右の出入口を開けた写真ですが、開けた部分がたくし上げられているのがお分かりでしょうか。

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開閉ファスナーと開放面の裾がコードでつながっておりまして、地面に垂れて汚れにくくなっています。ogawaのテントに見られる親切機能です。

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設営する時にシェルターの形を作るためのセッティングテープが2本付いているのですが、ペグを打ち込んで固定した後は外して収納しておけます。

地面がぬかるんでいる時など、セッティングテープがドロドロに汚れるのを防げますよ。

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前後パネルはトリプルファスナーで開閉。これの何が良いかと言いますと。

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最上部から少し下だけを数cm開けるといった細かい調整が可能になります。賢明な読者の皆様は、もうお分かりですね。

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細長いものを最小限の開放でニョキッと外に出せるということになります。

包み隠さずストレートに言えば薪ストーブの煙突ですが、メーカーのスタンスとしてはシェルター内は火気厳禁になります。やりたい方は自己責任で、安全対策を十分した上でご検討ください。

実際に使ってみた感想として、「ツインクレスタS T/C」なら薪までは必ずしも不要で、灯油でも十分暖まるサイズ、とだけお伝えしておきます。

シェルター内側にいくつかリングが付いておりました。ここにそのままLEDランタンを吊るすことができます。

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ロープを結んであげると、さらに便利です。LEDランタン以外に、タオルを干したりカップを吊るしておいたりもできますね。

下記リンクのような商品を使っていただくと、もっと便利です。

ロープを渡す部分ですが、真横に弛みなく張った場合の長さが約220cmなので、その範囲内に調整できるものが良いでしょう。

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前面パネルサイドウォールのファスナーについた引き手が、赤と黒で色分けされていました。細かいですが、使い勝手の向上につながる大事な部分ですね。

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前後パネルの下部に付いたゴムは、閉めた時にはペグダウンして風でのばたつきを軽減。パネルを跳ね上げた時には、ロープで引っ張って角度を付けて雨水を流しやすくすることができます。

ogawaのテント・シェルター製品は、こういった細かい工夫が随所にあります。ベテランキャンパーに愛される由縁ですね!

「ツインクレスタS T/C」の設営・撤収

設営手順はペグを打ってポールを立てればほぼ終了

「ツインクレスタS T/C」はツインクレスタと設営・撤収方法が全く同じで、サイズが小さく軽くなっているのでより簡単です。

ogawa公式YouTubeの、ツインクレスタ設営動画が参考になります。

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収納袋は大きめに作られており、オプションの二又フレームと跳ね上げポールも一緒に入ります。収納サイズは64x28x26cmで、一般的なドームテントと同じぐらい。

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袋から出して、地面に広げます。どちらを前面にするか、決めてから広げましょう。

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前面の見つけ方ですが、「Twin Cresta S T/C」のロゴがある部分が正面から向かった際に左前に来ます。

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前面パネルにのみサイドウォールがありますので、ファスナーを少し開けても判別できます。サイドウォールがある方を前にしましょう。

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セッティングテープを軽く前後方向に伸ばしながら、赤い丸の4箇所をペグダウンします。角が直角の長方形になることが理想ですが、細かい部分は後で調整した方がトータルで見た時に速いです。

あまり強く張ると、後でポールを立てにくくなります。軽く伸ばすぐらいが良いでしょう。

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ペグを打ち込むループは、長さを調整できるラダーロックコードになっています。このラダーロックコードは、半分ゆるんだ状態にしてペグを打ってください。

こうすることで、ペグダウンした後でも伸ばす・縮める両方向の調整が可能になります。

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続いて青い丸の部分、4箇所をペグダウン。外側に軽く引っ張りながらで、この時はピンピンに張らなくても良いです。最終段階で調整しましょう。

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ファスナーを開けて中に潜り込み、ポールを立てます。上の写真は二又フレームを立てているところです。

セッティングテープにハトメが付いていますので、二又フレーム下部のピンを差し込んでください。きつくて入りにくい場合は、ラダーロックコードを一時的にゆるめてみましょう。

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シェルターに付いた面ファスナー付きベルトで、二又フレームを巻いて固定します。さして難しいこともなく、見た目でいけます。

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Y型ポールの場合は固定ベルトは無いので、補強布の部分にポール先端を当てながら持ち上げるだけで終わります。

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一度全ての出入り口ファスナーを閉めてから、ラダーロックコードを締めてピンと張っていきます。

ラダーロックコードで調整してもシワが大きくあったり、ゆるゆるな場合もあります。ペグの位置を少し外側に打ち直すと、張力をかけてピンと張れます。

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ロープ8本をペグダウンしつつ、全体のシワが少なくなるよう張っていきます。ゴールはすぐ近くですよ。

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ベンチレーターのつっかえ棒を起こして、ベルクロで貼り付けたら完成。写真を撮りながらの初設営でも、ここまで約30分です。普通にやれば15~20分で設営できるでしょう。

設営に不慣れな方は、全国各地にあるキャンパルジャパン直営店のogawa GRAND lodgeでご相談いただくとレクチャーが受けられます!接客や展示の都合もあるので、お電話を入れて確認してもらってからが確実です。

撤収は設営の逆手順

撤収は基本的に、設営の逆の手順を行うだけになります。正確に逆の手順でなくとも、多少手順が前後してもどうにかなります。

ベンチレーターをたたみ、ロープとラダーロックコードをゆるめたら、いきなりポールを抜いてしまって大丈夫。その後ペグを抜く順番も設営の逆ではなく適当で良いので、シェルターの周りを歩きながら目についたペグを抜いていってください。

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基本的なたたみ方ですが、まず内側同士が合わさるように重ねます。角がなるべくきれいになるよう、シワを伸ばしてあげましょう。

ロープは付けたままでも構いませんが、濡れているとカビや色移りの原因になりますのでご注意。しっかり芯まで乾いているか心配な方は、ロープだけ外してご自宅で乾かしてください。

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左右の角を真ん中に折って、四角い形にします。一度で真四角にならなくとも良いです。

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もう1回ずつ左右を中に折り込んで、細長くなってきました。

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収納袋より少しだけ幅が狭くなる程度まで折りましたら、クルクル巻いて収納袋に収めます。設営よりも速く、10~20分ほどで撤収作業は完了しますよ。

「ツインクレスタS T/C」のインナーテントと幕内レイアウト

本記事作成時点(2023年5月現在)では、「ツインクレスタS T/C」の純正インナーテントは発売されておりません。インナーテントで眠りたい方は、小さいテントを中に入れる「カンガルースタイル」での運用がおすすめです。

筆者撮影・テンマクデザイン製インナーテント設置

2人用相当サイズのインナーテントをカンガルーテントとして使う場合、シェルター真ん中が定位置となります。「ogawa インナー1522」の場合も、設置場所はここになります。

シェルター内での専有面積が大きいので、二又フレームを併用して少しでも空間を広くして頂くと良いですね。

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上の写真に写っているテンマクデザイン製1人用インナーテントのサイズは210×70×97(高)cm。二又フレームではなくY型ポールを使っていても、端に寄せて設置できました。

Y型ポールは出入りの際に多少邪魔ではありますが、影響はインナーテントへの出入りの時だけなので、それほど気になるほどでもありません。

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同じ1人用インナーテントを、二又フレームと併用し右端に設置してみました。見た目から想像できる通り、インナーテントへの出入りが楽です。

横幅が70cm以上あるソロテントをインナーテントに使いたい場合、二又フレームを使うことでサイドに寄せて設置できるようになります。コットの場合は最大高が低いので、もう少し横幅があっても大丈夫です。

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左にインナーテント、右にエアーマットを敷いて、デュオキャンプのイメージでレイアウトしてみました。シェルター内の空間にはまだ余裕がありまして、もう少し荷物が多い方でも大丈夫。

前後方向(シェルターの短辺側)の長さが256cmですので、コットも余裕で置けます。コットをベンチがわりにすれば、チェアが不要になりさらに広々使えますね。

このサイズ設定が絶妙で、2人でデュオキャンプするには広すぎず最高にちょうどいいです。

「ツインクレスタS T/C」はソロキャンプには余裕あり

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ソロキャンプの場合、就寝スペースを端に寄せれば、かなり空間に余裕があります。

ソロならもっと狭くてもいけるという方が多数派ではないかと思いますが、大きすぎて過剰というほどではありません。

写真のように設置すれば、焚き火の背中側からの風よけにもなり、寒い時期でも暖かく楽しめます。跳ね上げた部分に焚き火の炎がかからないよう、十分安全な距離を取って使ってください。

タープ要らずで四季を問わず、広々と万能に使えるシェルターですので、心にも余裕があるソロキャンプになるでしょう。

「ツインクレスタS T/C」気になる点とは

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ツインクレスタと同様、弱点らしい弱点は無い、素晴らしいシェルターです。

唯一気になる点を挙げると、高さが低いので中で歩く際は腰や首を曲げて歩くことになります。

座ったままで歩き回ることがあまり無い人なら良いのですが、腰痛持ちの方は「ツインクレスタ」か「ツインクレスタ T/C」の方が高さがあるので、より快適に感じるでしょう。

「ツインクレスタ」ではなく「ツインクレスタS」を選ぶ意味はある

それならもう「ツインクレスタ」を使っておけばいいんじゃないか、と思われた方もいらっしゃるでしょう。確かにそれも間違いはないのですが、ちょっとお待ちください!

「ツインクレスタS T/C」は大きすぎないちょうどいいサイズで、取り回しやすいのがメリット。狭めに設定されたソロ用サイトなどでも張れます。キャンプ場にソロ用サイトがある場合、一般向けより狭いかわりに値段も低めですので、お得に利用できますよ。

また、幕内空間が狭いほうが冬場にシェルター内の温度が保ちやすいので、冬キャンプにも最適です。あまり狭すぎるとストーブ(自己責任)を使う余裕がなく危ないのですが、2人で使っても十分な広さがありますので、籠もっても閉塞感が少ないと言えます。

販売価格も「ツインクレスタS T/C」の方が少し低めですので、普段ソロキャンプかデュオキャンプしかせず、腰痛もひどくないなら断然ツインクレスタS T/Cがおすすめです!

日本の老舗が作った最高級の少人数用シェルター、ぜひキャンプ場でご堪能ください。

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