電動キックボード、7月から条件付き歩道走行OK 法改正合わせ新商品独自開発 姫路のメーカー

新たに開発された電動キックボード「イーコン シティー」(イーコン提供)

 一部の電動キックボードで運転免許が不要になる7月の改正道交法施行を前に、兵庫県姫路市嵐山町のメーカー「イーコン」は、改正法に対応した新商品を開発した。ヘルメット着用が努力義務化され、条件付きで歩道での走行も認められる新たな状況に対応した仕様で、爽快感も味わえる。

 電動キックボードはこれまで、原動機付き自転車(原付)の扱いだったが、最高速度が時速20キロ以下のものであれば、今回の法改正で新設された「特定小型原付」の区分に入る。特定小型では、16歳以上であれば免許は不要となり、「自転車通行可」の歩道も時速6キロまでなら走行できる。

 同社が開発した新しい電動キックボード「イーコン シティー」は、最高速度こそ抑えたもののパワーは十分。これまで上り坂での減速が弱点だったが、なだらかな坂道なら時速20キロのままで走行できるなど、快適さを向上させた。航続距離は80キロで、アクセルの誤作動防止装置も備える。

 神姫バスや姫路市は2021年、市内でイーコン製の電動キックボードを使った実証実験を実施。神姫バス社員や市職員らが市中心部でヘルメットを着用せずに公道を運転し、利便性や安全性を確認した。参加者からは「自転車より体力を使わず、運転後の仕事への影響は少ない」という声も上がった。

 一方で、手軽な半面、交通違反も目立つ。昨年2月には、酒を飲んで電動キックボードを運転したとして、姫路市の会社員の男が姫路署に書類送検された。イーコンの岡田慶太社長(36)は「本来は楽しく便利な乗り物なので、ルールやマナーを守って安全に乗ってほしい」と呼びかける。

 6月24日から予約を受け付ける予定。公道での最終テスト後、8月から販売を始める。予約は同社ホームページから。(森下陽介)

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