強制不妊訴訟 札幌高裁 道央夫妻の訴えを棄却

旧優生保護法のもと中絶と不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして道央の女性と夫が国に損害賠償を求めていた裁判で、札幌高裁はきょう控訴を棄却しました。原告の女性は妊娠後、知的障害を理由に中絶と不妊の手術を受けさせられたとして国に損害賠償を求めていましたが、札幌地裁の一審判決では不妊手術をした客観的な証拠がないとして、訴えを退けられました。札幌高裁の佐久間裁判長は判決で、「知的障害を理由に優生手術を受けた事実を認めることはできない」などとし、原告の訴えを棄却しました。弁護団「旧優生保護法が70年放置してきた被害を、厳密に適用して『しょうがないから』と言って片づけていいんですか」。旧優生保護法をめぐる裁判ではことし3月、不妊手術を強制されたとする札幌の男性が札幌高裁で逆転勝訴していました。

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