「『阪神甲子園球場』売るつもりは全くない」阪急阪神HD、命名権売却を否定 株主の懸念に

阪神甲子園球場の北側正面外観=西宮市甲子園町1

 阪急阪神ホールディングス(HD)の定時株主総会が16日、大阪市内で開かれた。複数のプロ野球の球団本拠地で続くネーミングライツ(命名権)の売却について、株主から「いずれ阪神甲子園球場(の命名権)もどこかの企業に売られるのではないか」と問われ、会社側は「命名権を売るつもりは全くない」と全面的に否定した。

 株主は質問の中で「あってはならない」と指摘。答弁に立った阪神電気鉄道の谷本修取締役は「命名権を売らないでほしいというのは私も全く同じ気持ち」と打ち消した。

 同社は、兵庫県尼崎市の小田南公園で建設中のプロ野球・阪神タイガース新2軍球場の命名権を売却。今年2月、公園の隣に生産拠点を構える建築用鋼板メーカー、日鉄鋼板(東京)が権利を取得し、名称が「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」に決まったと発表していた。

 別の株主からは、阪神電鉄のオレンジ色の車両に対し、「いわゆるジャイアンツカラーをやめては」と提案。同社の原田大取締役は「阪神・淡路大震災以降、車両の更新に当たっては明るい色にしていこうと、急行系はオレンジ色にしている。今後検討したい」と述べるにとどめた。

 プロ野球の球団本拠地の命名権売却は2003年、オリックスが本拠とするグリーンスタジアム神戸(神戸市須磨区)の名称が売却されたのが最初。現在、「京セラドーム大阪」や「バンテリンドームナゴヤ」「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」などの名称が使われている。(大島光貴)

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