物質・材料研究機構は16日、元室長の職員が、架空の個人事業主への不正発注を通じて得た業務委託料計2724万円余りを私的に受け取っていたと発表した。元職員は死亡に伴い退職した。同機構は元職員を懲戒解雇処分が相当として、退職金を全額不支給とした。
同機構によると、元職員は、室長を務めていた2015～21年度、架空の個人事業主を委託料の受け手として登録。機構の業務を計69件発注し、実際は元職員が業務を行って委託料を私的に受け取っていた。昨年12月に「元職員が架空業者に発注している」と同機構へ連絡があり発覚した。
委託料は返還されていないため、同機構は今後、不正行為に伴う損害額の返還請求を行う方針。同機構は、元職員の氏名や性別、年齢、業務内容などを明らかにしていない。
