転がってきたボールをよけようとバイク転倒、けがの女性が敗訴 神戸地裁

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 バイクで走行中、転がってきたボールをよけようとして転倒し、けがを負った女性がドッジボールをしていた男児2人の保護者に対し、計約3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、神戸地裁であった。後藤慶一郎裁判長は「男児らが行っていたドッジボール遊びは通常、人に危険を及ぼすものとはいえない」と訴えを退けた。

 判決によると、2015年10月、当時70代の女性が神戸市東灘区の公園近くをミニバイクで走行中、ボールを避けようとして転倒した。脳挫傷などのけがをし、歩行障害や高次脳機能障害が残ったという。

 公園では子どもらがドッジボールをしていた。男児=当時10歳=が投げたボールを別の男児=同=がよけ、ボールは遊具に当たって道路に転がった。

 後藤裁判長は、男児から路上までの距離が10メートル以上離れていたこと、公園には高さ1メートルの生け垣が複数あったことなどから「容易に道路へ転がり出る状況とはいえない」と指摘。保護者についても子どもに注意を呼びかけていたとし、「親権者に求められる指導監督をしていた」と述べた。

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