大規模買収事件 広島市議が無罪主張「選挙応援の趣旨で渡してきたものではない」 7月には河井克行元法務大臣の証人尋問へ

河井夫妻の大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判で、4月に当選した広島市議は、初公判で無罪を主張しました。7月の裁判では、河井克行 氏の証人尋問が予定されているということです。

起訴状によりますと、広島市議会議員の 木山徳和 被告(71)は、4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、自らの選挙事務所で夫・克行 元法務大臣から現金30万円を受け取った罪に問われています。

16日の初公判で、木山被告は、「私は河井案里の選挙運動者ではありません。私は、克行氏から現金を受領したことは間違いありません。ただ、案里氏への投票及び投票取りまとめなどの選挙運動をすることの報酬として供与されるものであることは知りませんでした。克行氏も、案里氏への選挙応援の趣旨で渡してきたものではないと思っております」と述べました。

冒頭陳述で検察側は、「木山被告は、自らの市議選の期間中、陣中見舞い名目で訪問してきた克行氏と面会した。克行氏からほかの人から見えにくい場所に呼び寄せられ、封筒に入った現金30万円を差し出され、いったんは受け取りを拒否したが、再度差し出されたことから受け取った。木山被告は、参院選の公示後、自らの事務所職員に指示して、もう1人の自民党候補だけでなく、案里氏のポスターも掲示板に貼らせるなどした」と指摘しました。

一方、弁護側は、「克行氏は、過去に現金を贈るようなことを日常的にしていた。本件については、木山被告は陣中見舞いとして渡されたと認識した。自らの選挙運動の真っただ中であり、参院選などまったく念頭になかった」と主張しました。

また、「捜査機関から、捜査に協力すれば不起訴になるという違法な司法取引が行われていた」と述べ、捜査の違法性を立証する方針を示しました。

裁判では、7月7日、克行氏の証人尋問が予定されているということです。

木山市議は、任期満了に伴う4月の広島市議会議員選挙であらためて当選しています。

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