アサザの黄色、夏の水面を鮮やかに 万葉集にも詠まれた水生植物が見頃 西宮の樋之池公園

鮮やかな黄色が水面に映えるアサザ=西宮市樋之池町

 夏の池に鮮やかな黄色の花を咲かせる水生植物アサザが、西宮市樋之池町の樋之池公園で見頃を迎えている。

 ミツガシワ科の多年生水草。万葉集に女性の髪飾りとして詠まれた一首がある。兵庫県内では稲美町の天満大池などに希少な自生地があり、県版レッドデータブックでは絶滅の危険が増大しているBランク。

 西宮市公園緑地課によると、同公園の樋之池は約2100平方メートルで、半分強にアサザが広がる。2015年の改修時に植栽されたかその後に持ち込まれた可能性があるが、確かな記録は残っていないという。

 植物調査などを請け負う「エコロジー研究所」代表でアサザに詳しい丸井英幹さん(56)=神戸市垂水区=は「本来そこにある植物ではないので、逸出しないよう管理する必要がある」とした上で「栄養のたまった池に生え、水質浄化能力があるので、池の状態は悪くないはず」と話した。(吉田敦史)

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