ロシア、ベラルーシに戦術核配備 第1陣搬入「年内に完了」

16日、ロシア・サンクトペテルブルクの国際経済フォーラムの全体会合で演説するプーチン大統領(タス=共同)

 ロシアのプーチン大統領は16日、ロシアの戦術核兵器の第1陣が既にベラルーシ領内に搬入されたと述べた。配備作業は「年内に完了する」とし、抑止力としての配備だと強調した。ロシアが他国領内に核兵器を配備するのは、1991年のソ連崩壊後に核兵器保有を放棄した旧ソ連諸国から引き渡しを受けて以来初めて。

 ロシア北西部サンクトペテルブルクでの国際経済フォーラム全体会合で明らかにした。ウクライナ侵攻でロシア軍の優勢を強調し、国際社会が懸念している核兵器使用について「必要性がない」と否定した。欧州各国がウクライナに供与する米国製F16戦闘機が仮に第三国の基地から攻撃に加われば「北大西洋条約機構(NATO)を軍事紛争にさらに引き込む深刻な危険性がある」とし、欧米を強くけん制した。

 フォーラムで演説したプーチン氏は司会者の質問に答え、ロシアの存立が脅かされた場合に核使用は「理論上は可能だ」と語った。領土奪還へ反転攻勢を続けるウクライナ軍にロシアの10倍以上の損失を与え、全ての戦線で撃退していると主張した。

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