「最高の出来」小山で児童ら「収繭」作業 絹義務教育学校、地域の伝統学ぶ

けばを丁寧に取り除く児童たち

 【小山】絹義務教育学校は16日、児童たちが蚕から育ててきた繭を専用の巣から取り出す収繭(しゅうけん)に取り組んだ。

 地域の伝統文化を学ぶ「ふるさと学習」の一環。児童たちは、5月下旬にJAおやまから提供を受けた春嶺鐘月(しゅんれいしょうげつ)の蚕約2千頭に、桑の葉を与えるなどして育ててきた。

 この日の作業には1、2年生計約50人が参加。繭を「まぶし」と呼ばれる巣から取り出し、周りに付いたけばを一つ一つ丁寧に取り除いた。収穫量は計1404個に上った。

 1年須藤一楓(すとういぶき)君(6)は「作業は楽しかった。優しく育ててきたので収穫できてうれしい」と笑顔。講師を務めた福良、農業野澤正義(のざわまさよし)さん(82)は「見事な純白で最高の出来。子どもたちの努力の結晶だと思う」と目を細めた。今後、煮繭などの工程を経て糸にし、上級生が手作りコースターを制作する予定。

 一方、出井のJAおやま桑集荷所では同日、養蚕農家3戸が春繭第1期の出荷作業を行った。出荷に向かない繭を取り除いた後、袋詰めや計量を行い、群馬県内の製糸業者に送るためトラックに積み込んだ。

 同JAによると、同日の出荷量は白色の春嶺鐘月が631キロで、1個の平均は1.8グラム。13日に出荷した緑色の「おりひめ」と合わせると、今期の総量は1139キロとなった。

 養蚕部会の五十畑茂(いかはたしげる)部会長(75)=三拝川岸=は「晩霜がなくて桑の葉の伸びが良く、蚕も順調に育ち良い繭が出荷できた。着物の需要が高まればうれしい」と話していた。

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