児童に笑顔のパス ハンド・北國銀行ハニービー

選手とハンドボールを楽しむ児童=珠洲市正院小

  ●正院小訪問

 最大震度6強の揺れを観測した珠洲市の子どもたちを元気づけたいと、北國銀行ハンドボール部ハニービーの選手ら11人が16日、同市正院小を訪れた。日本リーグ女子で9連覇の実力を持つ選手は、全校児童28人にボールの投げ方などを優しく指導。頻発する地震に不安を抱いていた児童は励ましのパスを受けて笑顔を浮かべ、前向きな気持ちで生活する思いを新たにした。

 全国トップレベルの成績を誇るハニービーは4月に東俊介監督(金沢市出身、金市工高OB)が就任し、珠洲でチームの基礎を築くキャンプを実施した。キャンプでは住民対象のふれあい体験会を開催して交流を深め、6月には全日本社会人選手権で8連覇を成し遂げた。

 チームゆかりの珠洲を襲った地震を受け、東監督は被災者の支援活動を計画した。当初は炊き出しやボランティア活動を検討したが、選手と話し合ったところ、「スポーツを通じて子どもたちの笑顔をつくることが一番いい」と、被害が大きかった正院地区で指導することにした。

 この日はハニービーの選手が手本となる動きを見せた後、児童が腕全体を使ったボールの投げ方や受け方を学び、シュートに挑戦した。選手と実戦形式の試合も楽しんだ。初めてハンドボールを体験した5年の堂端大和君(11)は「地震で気分が落ち込んでいたが、選手から元気をもらった」と笑顔で話した。

 練習後、選手から児童に応援タオルやサイン入りのTシャツが贈られた。小松市出身の深田彩加選手(29)は「ハンドボールを通じて子どもたちが笑顔になり、良かった」と話した。

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