路駐1台で2キロ超渋滞 片町―有松、通勤通学影響

違法に路上駐車された車両の影響で混雑する国道157号=16日午前9時半、金沢市片町2丁目

  ●バス大幅遅れ 通勤時間、十数分→1時間以上の人も

 16日午前、金沢市片町2丁目の国道157号片町スクランブル交差点付近を先頭に、有松方面にかけて2キロを超える渋滞が発生した。原因は繁華街に違法に路上駐車された1台の軽自動車で、市中心部に向かう幹線道路のバス専用レーンがふさがれ、路線バスに大幅な遅れが生じた。普段は十数分程度の通勤時間が1時間以上かかった人もおり、市民の通勤通学に大きな影響が出た。

 軽自動車は犀川大橋から片町スクランブル交差点に向かう歩道側の車線に放置されていた。駐車禁止の場所で、早朝から数時間止まっていたとみられる。

 同日午前9時半には「駐車違反」と書かれた黄色の紙と、警察に連絡するよう求める紙がフロントガラスに貼られており、車は正午までに移動した。

 石川県警によると、国道157号の片町交差点から野町広小路交差点方面に向かって車列が続いた。午前8~10時には上有松交差点まで約2.3キロの渋滞となった。

 マイカー通勤中だった片町近くの職場に勤める公務員の50代男性は、「出勤時間に遅れるかもしれないと焦った。ぎりぎり間に合ったが勘弁してほしい」と話した。

 県警によると、違法駐車車両への対応は所有者に連絡を取って、移動を促すのが通常の手順となる。連絡が取れない場合などは強制的にレッカー移動することもあるという。

 渋滞に巻き込まれた会社員男性は「朝の通勤ラッシュの時間帯で、普段でも混雑するのに、警察は速やかにレッカー移動させるといった臨機応変な対応をとれなかったのか」と憤った。

  ●取り締まりの中署、経緯明らかにせず

 違法駐車を取り締まった金沢中署は取材に対し、摘発の内容や車が移動した経緯を明らかにしなかった。

 路上駐車のあった現場は片側2車線に加えて右折レーンが設けられている。スムーズな交通を確保するため、朝は午前7時半~9時の間、左端の車線がバス専用レーンとなる。

 軽自動車は専用レーンに止められており、路線バスは避けて走行することを余儀なくされ、他の通行車両の流れも妨げられた。

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