F1カナダGP FP2:90分のセッションを実施、後半にソフトタイヤを履いたメルセデスが初日1-2。最終盤には大雨も

 2023年F1第9戦カナダGPのフリー走行2回目が行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がトップタイムをマークした。2番手はジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)となっている。角田裕毅(アルファタウリ)は15番手だった。

 FP1はセッション序盤に発生したCCTVのトラブルによりほとんど走行できずに終わったため、このFP2は当初の予定よりも30分早く始まり、90分のセッションとなった。気温23度、路面温度38度というコンディションでFP2がスタート。レースコントロールの発表によると、セッション中の降水確率は40%だ。

 序盤は各車ソフトタイヤかミディアムタイヤで走行しており、走るたびに路面状況が改善されてトップタイムが更新されていく状況だ。上位には1分15秒台前半のタイムが並び、その後ソフトタイヤのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が1分14秒576、同じくソフトのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が1分14秒726と1分14秒台に突入した。ミディアム勢のなかでは10周以上走り続けているドライバーもおり、メルセデスはハミルトンが1セットで15周、ラッセルは16周を走行した。

 開始30分を前に、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がメインストレートでスローダウンし「エンジンを失った」と無線で報告した。ターン1の手前でストップしたヒュルケンベルグのマシンからは煙が上がっており、マシンを回収するためにセッションは赤旗中断になった。

 FP2は残り時間53分のところから再開した。ところが今度はエステバン・オコン(アルピーヌ)がターン9でストップし、2度目の赤旗中断に。オコンは走行中にチームから「クルマを止めて」と指示を受けており、チーム側が何か異常を検知したようだ。

 セッションは残り43分のところで2度目の再開を迎えた。コース上ではソフトを履いているマシンが多く、角田は1分14秒941とこの時点で11番手タイムを記録した。1分13秒844を記録したサインツ、2番手ルクレール、3番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)というトップ3でセッション後半を迎え、4番手にはバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がつけており、新品ソフトを投入したフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はセクター1で全体ベストを記録したものの5番手だ。

 サーキット上空にも雨雲が発生し始めるが、残り30分を切るとソフトを投入したハミルトンが1分13秒718、ラッセルが1分13秒745とメルセデスが1-2に並んだ。各車ロングランを行っており、アルファタウリの2台は好ペースで周回を重ねている。

 セッション終盤に向かうにつれてサーキット上空は暗くなり、風も強まって、残り15分のところでレースコントロールからウエットトラックが宣言された。徐々に雨が降り始めたためレッドブルとメルセデスをはじめ各車インターミディエイトタイヤに履き替え、終盤はヘアピンのあたりではかなり強く雨が降っていた。

 雨のためセッション最終盤にタイムシートが大きく変わることはなく、ハミルトン、ラッセル、サインツというトップ3でFP2が終了。4番手以下はアロンソ、ルクレール、フェルスタッペン、ボッタス、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)となっている。

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