「リーダー役、宝塚でトップになった私と重なる」元星組・柚希礼音がミュージカル主演 29日開幕

「稽古時から心が震える瞬間が何度もあった」と語る柚希礼音=大阪市内

 元宝塚歌劇団星組トップスター柚希礼音(ゆずきれおん)が主演するミュージカル「ファクトリーガールズ~私が描く物語~」が29日、大阪・クールジャパンパーク大阪WWホールで開幕する。2019年の初演時には読売演劇大賞優秀作品賞を受賞。柚希は「さらにパワーアップした舞台を届けたい」と意気込む。

 産業革命で工業化が進む19世紀アメリカ北部・ローウェルで起きた実話を基に、脚本・演出・歌詞を板垣恭一が担う。

 柚希演じるサラ・バグリーは貧しい家族を助けるため故郷を離れ、紡績工場で働く。女性工員(ファクトリーガールズ)の過酷な労働環境に衝撃を受けるサラ。彼女らの寄稿集の編集者ハリエット(ソニン)と出会い、文章を書くことに目覚め、労働争議へ身を投じていく。

 サラについて「元はリーダータイプではないが、自分がやるしかないという思いや立場がサラを変えていく。宝塚でトップになってからの自分と重なる」と評する。

 初演に続き、元宝塚宙組トップ娘役実咲凜音(みさきりおん)が共演する。「しっかりとしたお姉さん気質で、サラの背中を押す役どころに通じる」と信頼を寄せる。

 「いろいろな芝居を経験してきた分、初演時とは違う感情の捉え方や表現がうまれてきた。前回よりさらに深いところにいけたら」と再演に寄せる期待を語った。

 大阪公演は7月2日まで。1万3千円。キョードーインフォメーションTEL0570.200.888 (小尾絵生)

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