鎌倉高校前駅近くの踏切 アニメ〝聖地〟SNSで人気再燃 地元が観光客への対応に苦慮 

鎌倉高校前駅近くの踏切で江ノ電を撮影する外国人観光客ら=鎌倉市腰越1丁目

 観光スポットと化している江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅近くの踏切を訪れる観光客への対応を巡り、地元が頭を悩ませている。人気漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の〝聖地〟としての人気が、交流サイト(SNS)の影響や映画の公開で再燃。新型コロナの「第5類」移行で行動制限や外国人観光客の入国制限が緩和されたことも追い風となって国内外の観光客が殺到しており、関係者は観光と安全の両立策を模索している。

 大型連休(GW)が終わった5月中旬の平日。鎌倉を訪れる観光客はアジサイのシーズンまで落ち着くのが通常だが、腰越1丁目の踏切近くは様相が異なっていた。

 目立つのはスマートフォンやカメラを手に江ノ電が通過する瞬間を狙う観光客。江ノ電と踏切、海を重ねたお気に入りの写真を撮影すると駅へ向かい、また別の観光客が現れるといった具合だ。聞こえてくるのは中国語や韓国語などが多く、近くには県外ナンバーの車やレンタカーが並ぶ。

 アニメ「スラムダンク」のオープニングシーンに登場する踏切は、ファンの間で「聖地」とされる人気スポット。平日も外国人観光客らでにぎわい、市や警察関係者は「中国人が8割で、残りが韓国人と日本人」と口をそろえる。

 関係者によると、スラムダンクがテレビ放送された1990年代も話題になったものの今ほど人が集まることはなく、7~8年前から増えてきたという。「90年代と異なりSNSでの拡散が大きいのでは」と話すのは江ノ電の担当者。「電車を利用してくれることはありがたい」としつつ、「地域住民のためにもマナーは順守してほしい」と訴える。

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