栃木の語源は「十千木」? 県名発祥の地で市民もPR

浴衣姿でイベントを楽しむ親子

 【栃木】現在の県名の由来となった当時の栃木町。では「とちぎ」の語源はどこからきているのか。

 諸説あるが、その一つが旭町の神明宮の「千木(ちぎ)」だ。千木とは社殿の屋根の装飾品のこと。現在の本殿は2本だが、昔の社殿には10本あったとされている。「千木が十(とう)」あったため、神明宮の方角を「とちぎ」と呼ぶようになった、というわけだ。

 市内ではその説をPRするため、レトロな遊びを親子で体験できる「十千木(とちぎ)縁日」が毎年、6月15日の県民の日前後に開かれている。17回目の今年は10日、万町のとちぎ山車会館前広場で開かれ、多くの家族連れでにぎわった。

 会場には、射的や福引などの屋台やキッチンカーが並び、からくり人形の実演や猫の面を作るワークショップなども行われた。射的でチケットを当てた来場者は、タイ名物の小型三輪タクシー「トゥクトゥク」で巴波(うずま)川沿いを巡った。

 家族で訪れた平柳町2丁目、パート中野絵里加(なかのえりか)さん(36)は「昔ながらの雰囲気が懐かしい」と笑顔で話した。

 イベントを中心となって企画している市商店会連合会の田島大(たじままさる)会長(54)は「県名発祥の地という気概で今後も盛り上げていきたい」と話していた。

神明宮本殿の千木
トゥクトゥクに乗る親子

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