集大成のおわら優美に 富山の八尾高校郷土芸能部、3年生引退公演

息の合った演奏や踊りを披露する部員=越中八尾観光会館

 八尾高校の郷土芸能部は17日、富山市八尾町上新町の越中八尾観光会館で、3年生の引退公演を開いた。1~3年生29人がおわら踊りなど風情あふれるステージを繰り広げ、地域住民らが3年生5人の晴れ姿を見届けた。

 郷土芸能部は、八尾地域に伝わる越中おわら節の普及と継承を目的に活動。県民謡越中八尾おわら保存会の指導の下、踊りや三味線、胡弓(こきゅう)、唄(うた)の練習に励んでいる。新型コロナウイルスの影響で練習の成果を発表する機会が減少したことをきっかけに、2020年から毎年、3年生の引退公演を開いている。

 ことしの3年生は村井青空(そら)さん、勝見苺依(まい)さん、安田愛実さん、西隼平さん、山本莉奈さんの男女5人。この日は地域住民や保護者ら約150人を前に、浴衣や法被をまとっておわら踊りを披露した。息の合った演奏に合わせて踊り手が優美に舞い、大きな拍手を受けた。三味線や胡弓で「さくら」や八尾曳山(ひきやま)の曲「猛(たけ)き心」も奏でた。

 公演後には涙を流し、3年間の努力をたたえ合った。部長の村井さんは「やり切ったという気持ち。このメンバーで舞台に立てたことを誇りに思う」と話し、副部長の安田さんは「後輩には八尾の伝統をしっかり受け継いでいってほしい」と晴れやかな表情を浮かべた。

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