21回全国大会に導いた名物顧問追悼 富山県の高岡商高吹奏楽部、23日から定期演奏会

定期演奏会に向け練習に励む吹奏楽部員

 富山県の高岡商業高校吹奏楽部は、23~25日に県高岡文化ホールで開く第59回定期演奏会で、顧問として全国大会出場に21回導くなど伝統校の礎を築き、今年1月に78歳で亡くなった土合勝彦さん(射水市)の追悼企画を行う。恩師の功績を写真や映像で振り返り、結束を高めようと、OBや生徒が準備を進めている。

 土合さんは、県学校吹奏楽連盟会長や北陸吹奏楽連盟会長を歴任し、吹奏楽の振興に尽力。高岡商業高に音楽教諭として長年勤務し、吹奏楽部を指導した。同校の全日本吹奏楽コンクール出場31回のうち21回を指揮し、8回の金賞受賞につなげた。

 追悼企画では、同コンクールのステージを収めた写真パネル21枚を展示する。同コンクールで「ローマの祭り」を演奏した1983年から昨年まで6回の音源と映像をつなぎ合わせた7分半ほどの動画を上映。部員42人がフォーレ作曲のレクイエムを演奏する。

 16日にOB4人が学校を訪問。写真パネルを確認し、部員と共に動画を視聴した。吹奏楽部後援会の岩坪忠男会長(58)は「伝統を感じてもらい、新しい歴史をつくっていってほしい」と励ました。

 演奏会に向け、安念杷夏(はな)部長(3年)は「支えてくれている人に感謝し、音で恩返しできればいい」と話す。土合さんに教わったOBの酒井道明顧問(42)は「伝統や歴史を知り、生徒たちがこれから頑張るエネルギーにしてほしい」と話した。

展示する写真パネルを準備したOBら

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