県高校総体 女子高校生レフェリーが初ホイッスル 【大分県】

女子高校生レフェリーが県高校総体のサッカー女子決勝で副審を務めた。堀田姫花(日田林工2年)と中倉咲姫(大分東2年)の2人は選手同様にグラウンドを走り、延長戦までもつれた熱戦を裏方として支えた。県サッカー協会によると、県高校総体での審判を女子高校生が務めたのは初めて。堀田は「試合前は緊張でガチガチだったけど、キックオフの笛が鳴ったら落ち着いた。ジャッジもできた」と話し、中倉は「いい経験になった。スムーズに試合を運べてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

2人は昨年、県サッカー協会の審判養成アカデミーに参加した。中高校生が対象で、女子は2人だけだった。そこで意気投合し、「一緒に頑張って審判になろう」と競技規則を学ぶ座学や映像を使った判定、実技を通して技術を高めた。そして、日本サッカー協会3級審判員の資格を取得した。

県高校総体の女子決勝で副審を務めた

4歳の時にサッカーを始めた堀田は、小学3年まで競技を続けたが、徐々に女子選手が少なくなって競技から離れた。しかし、サッカーへの情熱が冷めることはなく、中学3年の夏に4級の審判員の資格を取得すると、高校ではサッカー部のマネージャーをしながら、レフェリーの道に進もうと決心した。

中倉は小学5年から中学1年まで選手としてプレーした。その後は小学生のクラブを指導するようになり、指導者として審判の勉強も必要だと思い資格取得に取り組んだ。徐々に審判の楽しさを知るとのめり込んだ。「選手がプレーに集中できるように試合をつくり、最後に『ありがとう』と言われるとうれしい」と小学生の公式戦や練習試合などで審判をこなした。

県サッカー協会の岩尾雅広審判委員長は、「やる気のある2人を大事に育て、多くの試合で笛を吹いてもらいたい。今後も女子レフェリーが活躍できる場をつくるためにも先駆者になってほしい」と期待する。2人は年内に2級昇格試験の合格を目指している。

2級審判員を目指す堀田姫花(右)、中倉咲姫

(柚野真也)

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