ものづくりの喜びを形に 大分西高校家庭部・被服部 【大分県】

週に2日、15人の部員たちが活動する大分西高校家庭部・被服部。現在は年間で最大のイベントとなる文化祭でのファッションショーに向け、3年生がドレス製作に励んでいる。その過程は実に綿密で、作りたいもののイメージを探すことからスタートする。色やデコルテのデザインなど細部まで、長い時間をかけて決めていくという。

昨年から被服の専門として顧問を務める加藤奈緒教諭は「3年生は部活動の最終目的としてドレス製作があるが、それは強制ではなく個人の判断。今年は6人全員が挑むまれな年なので、完成させて立派なショーにしたい」と話す。約1年間かけて一着のドレスを作るため、並々ならぬ努力が必要になるという。

顧問にアドバイスをもらいながら、作品の完成を目指していく

部長の大坪かれん(3年)は「作りたいものを作れるようになるポイントを学んでいる。被服専門の先生から得るものは大きい」と学べる機会が増えたことを喜ぶ。昨年、初めてドレス作りに挑戦し、「高文連家庭専門部研究・作品コンクール」に出展した。ピンク色のチャイナドレスを完成させ、服飾カジュアル部門で優秀賞に輝いた。「ファッションショーでは周りからの歓声が何よりうれしかった」と話す。

加藤教諭は「イメージしたものを形にできることが被服部最大の魅力。作りたいものが完成した時の喜びや達成感をたくさん感じてほしい。目指すのは賞だけでなく、ものづくりの面白さを部員へ伝えたい」と指導に当たっている。部員一人一人の個性や感性を大切に、成長を見せる被服部。日々、縫製の技術力や独創性を磨いている。

日々成長を見せる被服部

(塩月なつみ)

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