犬の気持ちが分かるクイズカード 由布高生が考案、小学校で命の授業【大分県】

犬の気持ちが分かるクイズカードを作った由布高3年の西来路泉稀さん
「犬が物を壊したり、いたずらするのはなぜ?」クイズを出題する西来路さん(中央)と答えを探る児童=由布市庄内町の阿南小
犬の背中を優しくなでる児童
犬の背中を優しくなでる児童

 【由布】「初めて会った犬との触れ合い方は?」「なぜ飼い主の顔を見つめてくるの」―。由布市庄内町の阿南小で15日、命の大切さを学ぶ授業があった。教材になったのは、由布高3年の西来路泉稀(さいらいじ・みずき)さん(17)が考案した「犬の気持ちが分かるクイズカード」。同小1、2年生14人が動物の命や心について考えた。

 カードは72枚入り。表に問題と三つの選択肢、裏に解答を記載。クイズに答えていくと、犬の気持ちが分かるようになるという。

 西来路さんは昨夏、4歳の頃から飼っていたチワワを亡くした。ほえたり、かみついたりといった問題行動には理由があると知り、後悔した。「犬がどんな気持ちで行動しているのかを理解すれば、イラッとしたりストレスに感じたりすることなく一緒に楽しく過ごせる。犬を捨てる人もいなくなるのでは」

 幅広い分野で活躍できる女子中高生の発掘、育成を目指す昨年度の県のプログラムに応募。家族に協力してもらいながらクイズの内容やデザインを考え、今年2月にプレゼンテーションして形になった。

 授業には大分市廻栖野のおおいた動物愛護センターの職員、保護犬のラッキーとハルも参加。児童はカードを使って犬との接し方を学び、2匹の背中や頭を優しくなでて触れ合った。

 1年の小野夢奈さん(6)は「犬も私たちと同じでいろんな気持ちがあるんだなと思った。家で飼っているサブ君に話しかけたり、おやつをあげたりして、もっと仲良くなりたい」。

 カードはセンターが県内の小学校で実施する授業で活用していく予定。西来路さんは「子どもから大人まで気軽に楽しく学ぶことができる。全国で使ってもらい、殺処分ゼロを目指したい」と話した。

<クイズカードの例>

 初めて会った犬との触れ合い方は?

(1)頭をなでてあげる

(2)お尻のにおいを嗅ぐ

(3)横からそっと手を出して自分のにおいを嗅がせる

 答え(3)

 手足をずっとなめているのはなぜ?

(1)おいしいから

(2)きれいに掃除をしている

(3)ストレスがたまっている

 答え(3)

 捨てられた犬はどうなるの?

(1)自由になれる

(2)引き取り手がなければ処分される

(3)幸せになれる

 答え(2)

 なぜ飼い主の顔を見つめてくるの?

(1)暗示をかけている

(2)虫が止まっている

(3)かまってほしい

 答え(3)

 犬が物を壊したり、いたずらするのはなぜ?

(1)性格

(2)眠りたいから

(3)不安な気持ちやストレス

 答え(3)

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