苦しいときこそアグレッシブに 古江彩佳の冷静と情熱

1打差2位から逆転を狙う(撮影/亀山泰宏)

◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 3日目(17日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6556yd(パー72)

後半13番(パー3)、古江彩佳は初日の前半5番(パー3)以来となるボギーを喫した。さらにパー5の14番で3mを決められず、パーどまり。沸き立つ怒りを続く15番(パー3)にぶつけた。

右手前に切られたピンは、少しでもショートすれば砲台グリーンを転がり落ちて難しい寄せを残す。広いピンの左側に乗せる安全策を勧めるキャディのマイク・スコットさんに聞き返した。「キャリーで(グリーンに)届く?」。PWで真っすぐピン方向に打っても距離的には問題ないことを確認し、狭いエリアを果敢に攻め込んでバーディを奪った。「狙い…、狙っちゃいましたね。ボギーを打った後で、決めきれなかった悔しさが怒り気味のショットになったのかな」と笑った。

後半はピンチの連続(撮影/亀山泰宏)

苦しいときこそアグレッシブに攻める勇気を持ちながら、同時に冷静さを失わないメンタルは最終盤にも発揮された。寄せワンのパーセーブとなった3番で大きく右に飛び出すなど、「あまり信じきれないドライバー(状態)の日ではあったかな」。序盤で抱えていた一抹の不安が、いずれも大きく左に曲げて2連続ボギーを喫した16、17番で的中した。

序盤と終盤に乱れた1Wショットを必死にカバー(撮影/亀山泰宏)

パー5の最終18番、ティイングエリアで3Wを握った。「2ホール続けて曲がったことで、逆に(すんなり3Wを持つ)いいジャッジができた」。1Wでは左サイドのラフまで突き抜けるリスクが高く、一方でフォローの風が吹いている分、セカンドに距離を残してもグリーンは狙えると判断。残り230ydの2打目、7Wで「ちょっと攻めすぎたかなっていうくらいピンの方に行っちゃったんですけど…」と笑いながら2オンに成功してバーディで締めくくった。

明るさは失わず(撮影/亀山泰宏)

予選2日間の首位から1打差2位グループに後退する形になっても、「逆にトップで終わらず、攻めのプレーがあしたできると思って。トップのスコアも見ながら回っていきたい」とポジティブに話す。4打差からまくった昨年7月「スコットランド女子オープン」をはじめ、日米で何度も演じてきた逆転劇を狙う。(ミシガン州ベルモント/亀山泰宏)

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