15日、最大級の客船が初めて広島港に入港しました。日本に寄港した客船の中でも最大級のクルーズ船。船内はどうなっているのでしょうか? 広島県や国土交通省などの視察に特別に同行しました。
海に浮かぶ巨大なクルーズ船。全長は300メートルを超え、総トン数はおよそ17万トン。ビル19階分の高さです。
境健一 記者
「クルーズ船が広島港に近づいてきました。ここから見てもその大きさがわかります。まるで巨大なビルが動いているように見えます」
15日午後3時、ヨーロッパの会社が運航している「MSCベリッシマ」が、広島港五日市埠頭に入港しました。
見学に来た人たち
「やっぱりすごいですね。大きい。マンションみたい」
「学校から見えたんですよ、これが」
「それで来ました。まじですごくて、あれに乗るのが夢になりました」
これまで日本に寄港した客船の中で最大級です。
コロナ禍で2020年度・21年度は外国船籍のクルーズ船の日本入港が制限されていましたが、3月から入港が再開され、広島の海も活気づいています。
今年度はこれまでに20隻の寄港があり、年度内ですでに62回の予約が入っています。
広島県 土木建築局港湾振興課 渡辺康彦 ポートセールス担当監
「今のままでいきますと過去最多を更新することを大きく期待しています。外国のクルーズ客船の寄港については、一度に多くの方に広島に来ていただく絶好の機会と考えているので地域の振興にも寄与すると認識している」
今回のクルーズは乗客3300人、乗組員1500人の大所帯。船内の様子が気になります。広島港に降り立った乗客に聞いてみました。
乗客たち
「にぎやかで食事もコース料理で出るし、ダンス会やパーティもあって楽しいです」
「プロムナード(散歩道)があるものだから、そこは楽しめる。天井もすてきになっていて。なんて言うんだろう、天井もLEDですごく変わって」
「中もマスクしている人は誰もいなくて、クルーも全然していないので。日本の人もみんな、外に来たらマスクしているけど、中では全然していなくて自由な感じです」
船を誘致した広島県などの視察に特別に同行させてもらいました。
まず、わたしたちを迎えてくれたのは、きらびやかなエントランス。階段にはクリスタルが組み込まれています。
境健一 記者
「まもなく歓迎レセプションが開かれます」
歓迎セレモニーでは、ラウロ・マレスカ船長が「アジアの中でも広島は注目すべき特別な港。今後も就航を増やしていきたい」とあいさつしました。
そして、スタッフの案内で船内視察です。
乗客が話していた長さ96メートルのプロムナードです、天井にはLEDが施されています。
店舗が並び、ショッピングセンターのようです。
ゲームコーナーです。カジノも併設されています。
バスケットボールやテニスもできるスポーツ施設など娯楽施設も充実しています。
船内のレストランは12か所。各国の伝統料理やヘルシーメニューを楽しめます。スイーツやバーラウンジもそろっています。
広島県 広島港湾振興事務所 平野百花 主事
「こんな世界があるんだ。すごいですね。なかなか入る機会がないので貴重な経験をさせていただいています。広島県も誘致しているので、これからどんどん振興に努めていきたい」
屋外に出ると…
境健一 記者
「船首部分にある屋外プールになります.船首じゃないか、中央部分だ」
まだ船内の半分しか歩いていませんでした。プールだけで4か所あるそうです。
境健一 記者
「かなりの高さです。最大65メートルと聞いていますが、ビルの屋上に近いようなイメージがあります」
廿日市市 観光課 空正夫 係長
「廿日市市役所からも見ていたんですけど、近くに来たら本当に大きいです。ショッピングモールみたいな感じ。クルーズ船もどんどん来ると思うので、宮島を中心に廿日市にも来てもらって、しっかりおもてなしをしていけたらいいと思う」
境健一 記者
「クルーズ船の右舷を通って、船首から船尾部分に向かっています。もう、かなり歩きました。全長315メートルということなので、かなりの距離があります。視察クルーと離れると迷子になってしまいそうなので急ぎます」
「船尾部分に来ました。こうして船の上から見渡す光景はだいぶ地上から見る光景とは変わっています」
娯楽施設の中でも特に大きな施設が、985人を収容できる本格的な劇場です。毎晩、日替わりで6種類のショーを無料で鑑賞できます。人気で予約が必要だそうです。これには広島県の担当部長も…
広島県 土木建築局 内藤孝 空港港湾担当部長
「すごいですね。この大きさは聞いたことがないです」
客室数は2217室、乗客定員は5655人。巨大客船の内部は、まさに海に浮かぶ巨大リゾート! 地元の期待もふくらみます。
広島県 土木建築局 内藤孝 空港港湾担当部長
「非常に地元経済にインパクトのある船が来てくれた。これからも多くの船が来て、国内外のいろんなところからお客さんが来てくれて、地域の経済発展につながれば」
― 本当にキラキラしてゴージャスだと思いますし、たぶん、自分が船のどの位置にいるのかわからないぐらい広いんでしょうね。船内のすべてを紹介できなかったんですけども、ほかにも子どもたち遊べるキッズコーナーがあったり、プールにはウォータースライダーもあるということでした。ファミリー層も意識した造りになっているようです。