クリケット通じ印との交流 国内最大級の大会も 佐野市や支援企業、経済も期待

佐野市の競技環境や受け入れ体制について高く評価しているなどと話すインドステイト銀行のV・センティル・クマール在日代表(手前右)

 【佐野】クリケットを通じたインドとの交流拡大へ期待が高まっている。市国際クリケット場(栃本町)でこのほど、今年も在京インド人などによる国内最大級のソーシャルクリケット大会が開催された。インドでは抜群の人気を誇り、国技ともいえるクリケット。国内トップの競技環境を持つ市は、他の地域にはないアピールポイントを持つ。市やクリケットのまちづくりを支援する企業は「観光や産業面でも、著しい経済成長で世界的な注目を集めるIT大国インドとの関係構築のための土台ができつつある」と手応えを感じている。

 この大会はインド最大規模の金融機関「STATE BANK OF INDIA(インドステイト銀行)」の略称を冠し、「SBIカップ」と呼ばれている。在日の社会人チーム「タイガース・クリケットクラブ」が主催し、市や日本クリケット協会が後援している。

 今月3日に、市内企業との交流会も予定されていたが荒天で中止となり、4日の大会のみの開催となった。それでも同銀行やインド大使館、IT企業などから過去最多となる40チーム、約700人の選手と関係者らが参加した。

 同銀行の在日代表&チーフ・エグゼクティブ・オフィサー東京V・センティル・クマールさん(48)は「とても素晴らしい環境。温かいもてなし、観光も楽しく快適で、われわれにとって佐野市と、このフィールドは特別な場所となっている」などと称賛していた。

 新型コロナを巡る規制緩和に伴い、世界の経済活動が正常化する中、市内の産業界ではインバウンドを含めた観光誘客などへの期待が膨らむ。金子裕(かねこゆたか)市長は「さらに絆を強め、将来の経済や産業面での交流の進展にもつなげていきたい」などと話している。

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