子ども落語、巧みな話術や所作で笑い誘う 全国大会決勝戦、8人が古典や新作落語を披露 兵庫の出石永楽館で

優勝した「薫風亭文鳥」こと、石坂大志君=出石永楽館

 子どもたちが落語の技術を競う「出石永楽館・全国子ども落語大会」の決勝戦が18日、出石永楽館(兵庫県豊岡市出石町柳)で行われた。前日の予選を勝ち抜いた小中学生8人が古典や新作落語を披露し、大阪府の小学6年生、「薫風亭文鳥(くんぷうていぶんちょう)」こと、石坂大志君(11)が最優秀賞に輝いた。(丸山桃奈)

 豊岡を落語のまちとして盛り上げようと、落語愛好家らでつくる実行委員会が2018年に開始。今年は小学1年から中学3年までの男女16人が近畿地方を中心に全国から集まった。

 決勝に出場した8人は色とりどりの着物をまとって、13分の持ち時間でそれぞれ世界観を演出し、古典落語「親子酒」「桃太郎」などを披露した。巧みな話術や扇子などを使って観客を引きつけ、客席は拍手や笑い声であふれた。

 観客約150人が投票で審査し、「道具屋」を披露した石坂君が1位に。優秀賞は奈良県の小学4年、「たけのこ亭さと丸」さんが獲得し、3位の市長賞には和歌山県の中学3年、「ピコピコ亭たい焼き」さんが選ばれた。

 田中久典事務局長は「レベルが高い中で、石坂君はお客さんの気持ちをつかんで上手に乗っていった」と評価した。

 石坂君は、小学1年のころに落語好きの父の影響を受けて高座に上るように。各地の大会に出場しているが、優勝は初めて。「全力を出し切って、お客さんが喜んでくれたのが一番うれしい。しゃべるのが好きなので、これからも落語と、3歳からしている芸能活動の両方を頑張る」と目を細めた。

© 株式会社神戸新聞社