最終日最終組で優勝争い 岩井ツインズ「夢」の一日

2人の目標「一緒に最終日最終組」を父の日に実現させた(撮影/村上航)

◇国内女子◇ニチレイレディス 最終日(18日)◇袖ヶ浦CC新袖コース(千葉)◇6621yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆4778人)

山下美夢有と4打差2位で迎えた最終日。岩井明愛は1番(パー5)で先制のバーディを奪った。5番でも5mのチャンスを決めた。8番ではバンカーの縁に止まったボールを見て、両手でクラブを握るとスタンスが不安定になると判断。右手一本で打ってチップインバーディを奪いギャラリーを沸かせた。「こんなことあるんだなっていう感じ。すごい楽しかった」と笑顔で振り返る。

岩井明愛は4打差を追ったが、後半2ボギーに泣いた(撮影/村上航)

13、15番のボギーで失速したが、最後は17、18番の連続バーディで締めた。6バーディ、2ボギーの一日を「4アンダーで回れたので、悔いはない」という。「(山下は)やっぱり隙がない。スタートで4打差あったので正直きょうも10アンダーくらいを出さないと勝てない試合だった。それほど美夢有さんはすごい選手」と勝者をたたえた。

岩井千怜は「68」。首位との差は埋まらなかった(撮影/村上航)

明愛とともに最終組で回った妹・千怜も「やっぱり隙がない」と口をそろえて山下のプレーを表現する。「どれだけ差を縮めても美夢有さんも獲ってくる。『この人にはどうやったら勝てるんだろう』と思いながら回っていた」と年間女王の強さを言葉にした。

自身は5バーディ、1ボギーで明愛と同じ「68」。スタート時の6打差から一時は3打差にまで詰め寄ったが「美夢有さんも集中なさっているので、その集中を超えないとバーディ獲れないと思っていた。(差が)縮まったのと同時にさらに集中していた」と緊張感を保ってプレーした。

山下美夢有との優勝争いを楽しんだ(撮影/村上航)

「2人の夢でもあった最終日最終組を実現できた。ひとつの夢が叶った日。すごいうれしいですし、すごい楽しかった」と明愛。今季の開幕前から2人で掲げた目標を父の日に叶えたことは、父・雄士さんへの最高の贈り物になった。「優勝して最高のプレゼントを贈りたかったんですけど、全力を尽くした結果がこれだったので、また次、来年でもいいので父の日に優勝して、プレゼントしたい」と千怜。きっと、チャンスはまたやってくる。(千葉市若葉区/内山孝志朗)

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