東日本大震災からの復興を願い、東北6県の夏祭りが集結する「東北絆まつり」が18日、青森市で2日間の日程を終えた。前日に続き、市中心部で行ったパレードでは、6県の踊り手やはやし方ら総勢約1200人が自慢の演舞を披露。会場を熱気が包んだ。
パレードには、青森ねぶた祭や盛岡さんさ踊り、福島わらじまつりなど6県を代表する祭りが出陣。勇壮な武者人形に、力強い群舞、あでやかな踊りが観衆を魅了した。終盤は6県の踊り手らが混然一体となって練り歩き、沿道に笑顔を振りまいた。青森市の蝦名はま子さん(75)と加藤ハツノさん(82)は「華やかな踊りと皆さんの笑顔にくぎ付け。やっぱりねぶたが素晴らしく、来て良かった」と満足げに語った。
メイン会場となった青い海公園の特設ステージでも6県の祭りが披露された。秋田の竿燈(かんとう)や仙台七夕まつりの吹き流しが飾られたステージ上で、山形花笠(はながさ)まつりの演舞が行われるなど、普段見られない光景に観衆が拍手を送った。
八甲田丸周辺に設けられた6県のご当地グルメなどを味わえるブースでは、人気店に行列ができた。八戸市の会社員川崎孝亮さん(33)と同小川悠二さん(31)は「仙台牛の串がおいしかった」と声をそろえた。一方、この日の青森市の最高気温は26.6度。日差しも強く、会場周辺では熱中症と思われる救急搬送が複数確認された。
18日のまつり全体の来場者数は約12万4千人で、2日間の合計は約29万人だった。まつり実行委員会会長を務める西秀記青森市長は「新型コロナウイルス禍に立ち向かおう-と一致団結して行ったまつり。4年ぶりに公道でパレードができて、大変な盛り上がりだった」と手応えを語った。