27台にタイム加算ペナルティ。88号車が逆転優勝、Dステーションは7位に降格/GTWCアジア第4戦

 6月18日に決勝レース2が行われたファナテックGTワールド・チャレンジ・アジア・パワード・バイAWSの2023年第2ラウンド。レースはアクシデント多発のなかDステーション・レーシングの47号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3が暫定優勝となっていたが、正式結果で多くのマシンにペナルティが科され、最終的にトリプルエイトJMRの88号車メルセデスAMG GT3(H・H・プリンス・アブ・バーカー・イブラヒム/ルカ・ストルツ)が勝利を手にする結果になった。

 GTワールドチャレンジ・アジアを主催するSROモータースポーツ・グループによると、ポイントになったのはレース残り20分を切ったときにホームストレート上で発生した77号車クラフト・バンブー・レーシングのクラッシュで、このアクシデント発生時にはすぐさまセーフティカー導入が宣言されたが、そのアナウンスとともに「すべてのマシンはピットレーンを通過してセーフティカーに従うように」という指示がレースコントロールから出されていたようだ。

 88号車トリプルエイトJMRはこのとき指示どおりピットレーンを通過してからコースに復帰して暫定14位でフィニッシュしたが、その他の多くのマシンがピットレーンを通過していなかったとされ、SROおよび審査委員会が調査を行った結果、下記の27台に対して30秒加算ペナルティが科されることなった。

1号車カーガイ・レーシング2号車クライマックス・レーシング3号車クライマックス・レーシング4号車R&Bレーシング5号車プラス・ウィズ・BMWチーム・スタディ7号車コメット・レーシング13号車アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート14号車ハブオート・レーシング・ウィズ・GTO16号車ABSSAモータースポーツ18号車ポルシェセンター岡崎22号車KCMG25号車NKレーシング29号車ファントム・プロ・レーシング33号車チームGMB47号車Dステーション・レーシング50号車YZレーシング・ウィズ・BMWチーム・スタディ51号車AMACモータースポーツ60号車LMコルサ71号車アキランド・レーシング87号車R&Bレーシング96号車Kチューンズ・レーシング97号車Kチューンズ・レーシング555号車マエザワ・レーシング718号車チェックショップ・ケイマニア・レーシング888号車トリプルエイトJMR911号車AASモータースポーツ・バイ・アブソリュート・レーシング992号車アブソリュート・レーシング(カーナンバー順)

 また、暫定6位でフィニッシュした55号車チームウエマツには「義務付けられたピットストップを時間外に行った」という理由で35秒加算ペナルティが科されたため、正式結果では12位となり、これによってノーペナルティの88号車トリプルエイトJMRが総合優勝を獲得することになった。

 2位は同じくノーペナルティとなったサティワン・サントソ/レイド・ハーカー組の8号車EBMとなっている。なお、暫定優勝の47号車Dステーションはペナルティを受けても3位になるはずだったが、コースのトラックリミットを超えて他車をオーバーテイクしたとして、上記のペナルティに加え、さらに10秒加算ペナルティも科されたことで最終的に7位となり、ルー・ウェイ/デニス・オルセンの4号車R&Bレーシングが正式結果で3位になっている。

 なおGT4クラスは、完走した3台にそれぞれ30秒が加算されたため、最終的な順位に変更はなく、大塚直彦/小林翔組の718号車チェックショップ・ケイマニア・レーシングがクラス優勝を獲得している。GTWCアジア第4戦富士の正式結果および各マシンへのペナルティ内容は以下のとおりになるが、多くのマシンにペナルティが科されたこともあり、今回の結果は今後議論を呼ぶかもしれない。

ファナテックGTワールド・チャレンジ・アジア・パワード・バイAWS

第2ラウンド/第4戦決勝レース正式結果

Pos. No. Class Team Car Driver Laps/Gap

1 88 GT3 Pro-Am トリプルエイトJMR メルセデスAMG GT3 EVO H.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒム/L.ストルツ 27Laps

2 8 GT3 Pro-Am EBM ポルシェ911 GT3 R(992) S.サントソ/R.ハーカー 10.566

3 4 GT3 Pro-Am R&Bレーシング ポルシェ911 GT3 R(992) L.ウェイ/D.オルセン 13.741

4 87 GT3 Silver R&Bレーシング ポルシェ911 GT3 R(992) B.ユアン/L.イェ 14.294

5 5 GT3 Pro-Am プラス・ウィズ・BMWチーム・スタディ BMW M4 GT3 山口智英/荒聖治 17.172

6 11 GT3 Pro-Am アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート アウディR8 LMS GT3 EVO II A.ハルヤント/J.ユー 19.300

7 47 GT3 Pro-Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR GT3 星野敏/藤井誠暢 23.099

8 13 GT3 Pro-Am アウディスポーツ・アジア・チーム・アブソリュート アウディR8 LMS GT3 EVO II S.ジンズー/F.チェン 23.270

9 1 GT3 Pro-Am カーガイ・レーシング フェラーリ296 GT3 木村武史/K.コッツォリーノ 24.270

10 992 GT3 Pro-Am アブソリュート・レーシング ポルシェ911 GT3 R(992) B.ジンロン/A.インペラトーリ 24.327

11 7 GT3 Am コメット・レーシング フェラーリ488 GT3 山﨑裕介/辻子依旦 25.985

12 55 GT3 Am チームウエマツ マクラーレン720S GT3 植松忠雄/植松忠雄 27.420

13 888 GT3 Pro-Am トリプルエイトJMR メルセデスAMG GT3 EVO H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/R.スタナウェイ 28.928

14 14 GT3 Pro-Am ハブオート・レーシング・ウィズ・GTO ポルシェ911 GT3 R(992) B.リー/安岡秀徒 31.843

15 555 GT3 Pro-Am マエザワ・レーシング フェラーリ488 GT3 P.ブロムバクディ/横溝直輝 33.219

16 18 GT3 Pro-Am ポルシェセンター岡崎 ポルシェ911 GT3 R(992) 永井宏明/上村優太 39.605

17 16 GT3 Pro-Am ABSSAモータースポーツ マクラーレン720S GT3 片山究/澤圭太 40.217

18 51 GT3 Am AMACモータースポーツ ポルシェ911 GT3 R(991.1) A.マクファーソン/W.ベン・ポーター 41.650

19 60 GT3 Pro-Am LMコルサ フェラーリ488 GT3 中西慧/脇阪薫一 42.098

20 360 GT3 Am ランアップ・スポーツ ニッサンGT-RニスモGT3 西川正明/田中篤 48.568

21 3 GT3 Am クライマックス・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO H.ユーチー/B.イェ 54.271

22 22 GT3 Pro-Am KCMG ホンダNSX GT3 EVO P.イップ/E.リベラティ 56.546

23 911 GT3 Pro-Am AASモータースポーツ・バイ・アブソリュート・レーシング ポルシェ911 GT3 R(992) V.インタラプワサク/A.ピカリエロ 1:00.346

24 33 GT3 Pro-Am チームGMB メルセデスAMG GT3 EVO 羽田野宏明/細川慎弥 1:17.786

25 2 GT3 Pro-Am クライマックス・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO Z.ビーファン/D.リンド 1:18.093

26 718 GT4 Am チェックショップ・ケイマニア・レーシング ポルシェ・ケイマン718 GT4 RSクラブスポーツ 大塚直彦/小林翔 1Lap

27 71 GT4 Silver-Am アキランド・レーシング トヨタGRスープラGT4 大山正芳/阪口良平 1Lap

28 97 GT4 Am Kチューンズ・レーシング トヨタGRスープラGT4 野上昌範/藤井大温 1Lap

29 29 GT3 Silver ファントム・プロ・レーシング アウディR8 LMS GT3 EVO II L.カン/C.チー 3Laps

30 25 GT3 Pro-Am NKレーシング ポルシェ911 GT3 R(992) 内山清士/近藤翼 4Laps

31 96 GT3 Pro-Am Kチューンズ・レーシング レクサスRC F GT3 末長一範/新田守男 5Laps

32 77 GT3 Pro-Am クラフト・バンブー・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO J.リー/M.ゲーツ 9Laps

NC 37 GT3 Pro-Am クラフト・バンブー・レーシング メルセデスAMG GT3 EVO A.シュウ/D.ジュンカデラ 14Laps

NC 72 GT3 Pro-Am ハブオート・レーシング ポルシェ911 GT3 R(992) M.チェン/A.パレンテ 15 Laps

NC 19 GT3 Am ジ・スピリット・オブ・FFFレーシング ランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO 濱口弘/大蔵峰樹 19 Laps

NC 9 GT3 Pro-Am ビンゴ・レーシング コルベットC7 GT3-R 武井真司/飯田章 19 Laps

NC 333 GT3 Pro-Am ファントム・プロ・レーシング アウディR8 LMS GT3 EVO II X.アン/M.マック 25 Laps

NC 500 GT3 Pro-Am チーム5ZIGEN ニッサンGT-RニスモGT3 HIROBON/川端伸太朗 27Laps

DQ 50 GT4 Silver-Am YZレーシング・ウィズ・BMWチーム・スタディ BMW M4 GT4 G82 加納政樹/織戸学

CarNo.2:ドライブスルーペナルティーの代わりにレースタイムに30秒加算
CarNo.2:ドライブスルーペナルティーの代わりにレースタイムに30秒加算
CarNo.55:ストップ&ゴーペナルティの代わりにレースタイムに35秒加算
CarNo.3:ドライブスルーペナルティーの代わりにレースタイムに30秒加算
CarNo.47:トラックリミットを超えたため10秒のペナルティ
CarNo.33:黄旗信号に従わなかったため35秒のペナルティ
CarNo.22:黄旗信号に従わなかったため35秒のペナルティ
CarNo.911:黄旗信号に従わなかったため35秒のペナルティ
CarNo.2、718、22、47、71、4、13、1、25、87、888、29、5、3、992、911、14、51、33、18、7、555、16、96、60、50、97:ドライブスルーペナルティの代わりにレースタイムに30秒加算
CarNo.50:黒旗

ピットレーンを通過してコースに復帰する88号車トリプルエイトJMRと8号車EBM

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