【中国】訪日呼び込みへ地方の魅力PR、北京旅行博[観光]

中国の旅行業関係者らでにぎわう日本政府観光局(JNTO)のブース=16日、北京市

北京市で16日から18日まで開かれた旅行博覧会「北京国際旅遊博覧会(BITE)」で、日本の出展団体が各地方の観光資源の魅力を発信した。中国人の訪日観光需要の回復を見据え、誘客に取り組む動きが活発化している。

日本の自治体国際化協会(クレア)のブースに「九州チーム」として出展した九州各県と北九州市は、各地のゆるキャラのぬいぐるみやパンフレットを並べた。熊本県は人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公を中心とする「麦わらの一味」のキャラクター像が設置されている県内9市町村の観光地を紹介し、ファンの「聖地巡礼」の呼び込みを狙う。

大阪市は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)をアピールした。新型コロナウイルス流行前は中国からの旅行者が大阪府のインバウンド(訪日客)全体の約半数を占めていた。大阪市上海事務所の的場正信所長は「訪日観光の回復を見据えて大阪の情報を発信していく」と話した。

日本政府観光局(JNTO)は約90平方メートルのブースを構え、大型スクリーンに日本の観光地を映して紹介した。JNTO北京事務所の茶谷晋太郎所長は「(東京、京都といった)ゴールデンルート以外の地方の自然や文化、伝統などの魅力を発信し、誘客につなげたい」と述べた。

ブースを熱心に見ていた旅行会社勤務の中国人男性(59)は「海外旅行をするならまず日本に行きたい。これまで行ったことがない日本海に面した県に足を運んでみたい」と笑顔で話した。

訪日中国人の回復の鍵になるのが日本への団体旅行の解禁だ。中国は2月6日に海外への団体旅行を再開し、これまでに計60カ国が対象になったが、日本は含まれていない。日中を結ぶ航空便の増便は徐々に進むが、中国からの訪日客が本格回復する時期は不透明な面もある。

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