「虐待サバイバー」の風間暁さん講演 「問題行動の背景に目を向けて」 栃木県内の医療関係者ら聴講

虐待を受けた自身の経験を語る風間さん=18日午後、宇都宮市馬場通り4丁目

 児童虐待防止などを目指す「とちぎ男女共同さんかくねっと」は18日、宇都宮市馬場通り4丁目の同市民プラザで、特別講演会「虐待防止のために、我々大人に何ができるのか」を開いた。親からの壮絶な虐待を生き抜いた「虐待サバイバー」でライターの風間暁(かざまあかつき)さん(31)=東京都在住=が医療関係者ら約20人を前に、子どもの問題行動の背景に目を向ける大切さを強調した。

 風間さんは自らの体験を語り、薬物依存症や虐待防止の啓発活動を全国で行っている。幼少期、母親から手足を縛られ納戸に閉じ込められるなど暴力を受けた。成長してからもフラッシュバックする虐待の記憶から逃れるため、薬物に依存した過去を明かした。

 妊娠を機に20代前半で薬物依存症の当事者同士でつながる自助グループに所属。悩みを打ち明け合い、生まれたつながりが風間さんに希望を与えたという。

 風間さんは「子どもの問題行動ばかりでなく、その背景にある困りごとに注目できる大人が増えてほしい」と訴えた。参加者同士の議論も行われ、多職種の連携や当事者の孤立予防の重要性について意見を共有した。

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