一部損壊に支援金 全壊300万円、国に上乗せ 珠洲市補正案

 最大震度6強の地震を受け、珠洲市は被災した市民を対象に独自の支援金を支給する方針を決めた。国の制度の対象外となる一部損壊の世帯にも10万円を給付。全壊の世帯には国の支給と同額となる最大300万円を上乗せする。市補正予算案に総額7億円を計上、被災者の経済的負担を軽減し、一日も早い生活再建を後押しする。

 国の被災者生活再建支援金には、「基礎支援金」と、住宅の建設や賃貸時などに受け取れる「加算支援金」がある。全壊の場合は基礎で100万円、住宅の建設・購入でプラス200万円となり、市はこれと同額を支給する見通しで、国、市合計で600万円を受け取ることができる。大規模半壊は最大500万円で、一人世帯の場合の金額はいずれも75%となる。

 一方、中規模半壊以下の世帯には基礎支援金がなく、加算支援金は県の制度を含めても半壊までが対象。市は被害の程度がそれほど大きくなく、国の制度から外れる世帯についても生活再建を支えようと、準半壊世帯に25万円、一部損壊の世帯には10万円を出す。

 市によると、17日時点で罹災証明の申請件数は1967件で、交付済みは1270件となった。国制度の対象外である半壊以下と判断した市民は申請していないケースがあり、市は申請件数が最大で4千件程度に増える可能性があるとみている。

 補正予算案は20日に開会する市議会6月定例会に提出される。市民に迅速に支給するため、復興支援事業分に関しては、初日の20日に採決される方向となっている。

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