守護神ウナイ・シモン躍動でPK戦制したスペインが初優勝! クロアチアは代表引退噂されるモドリッチの有終の美飾れず…《UNL》

[写真:Getty Images]

UEFAネーションズリーグ・ファイナルズ決勝、クロアチア代表vsスペイン代表が18日にオランダのデ・カイプで行われ、0-0で120分の戦いが終了。その後、PK戦を4-5としたスペインが初優勝した。

直近2つのワールドカップでタイトル獲得へあと一歩だったクロアチアは、延長戦までもつれ込んだホスト国オランダ代表との準決勝を4-2で制し、ファイナル進出を決めた。その激闘から中3日での大一番ではヴィダに代えてエルリッチを起用した以外、同じメンバーを継続した。

一方、前回大会に続いてイタリア代表を2-1で破り、2大会連続のファイナル進出を決めたスペイン。その手腕に賛否両論があるデ・ラフエンテ体制継続へ、是が非でもほしいタイトルが懸かる中2日での一戦では先発2人を変更。メリーノとロドリゴに代えてファビアン・ルイスとアセンシオを起用した。

大会初優勝が懸かる大一番ということもあり、両チームともに慎重な入りを見せる。ボール保持の部分ではほぼ互角も、スペインがより相手陣内の深くに侵攻していく。

12分にはハイプレスからのショートカウンターでボックス付近のガビが右足を振っていくが、このシュートは惜しくも枠の左へ外れる。

一方、安定した守備でスペインの攻撃を撥ね返すものの、なかなか攻撃に出られないクロアチア。それでも、20分過ぎには最後尾のエルリッチからのロングフィードで背後を取ったクラマリッチがボックス内に抜け出す決定機を作り出すと、ここから効果的に相手の背後を突いて押し返すことに成功。さらに、31分にはモドリッチのフィードに反応した左サイドバックのペリシッチがボックス内で際どいヘディングシュートを放つ。

前半半ばから終盤にかけても一進一退の攻防が続く中、スペインがボール保持の部分で若干の優位性を保ったものの、クロアチアがより効果的にフィニッシュシーンを作り出すなど、がっぷり四つの状態のままゴールレスでハーフタイムを迎えた。

後半も試合展開に大きな展開はなし。互いに相手の集中した守備を前に外回りの攻撃が目立ち、幾度か正確なクロスからフィニッシュの場面が訪れるが、いずれも相手守護神を脅かすものとはならず。

この睨み合いの展開を受け、両ベンチは60分過ぎに動く。クロアチアはパシャリッチを下げて長身FWペトコビッチを投入し、クラマリッチを右に移す。対するスペインはモラタとジェレミ・ピノを下げてホセル、アンス・ファティを同じポジションに投入した。

一連の交代と過密日程による運動量低下によって少しずつ試合が開き始めると、75分にはスペインに決定機。ファティの裏抜けに対応したGKリヴァコビッチのクリアを回収したファビアン・ルイスが浮き球のシュートを狙ったが、これは惜しくも枠の右に外れた。

後半終盤にかけてスペイン優勢の時間帯が続くと、84分にはこの試合最大の決定機。ボックス左でメリーノが折り返したボールをゴール前で収めたファティがすかさずシュート。だが、GKの脇を抜けるかに思われたこのシュートはゴールカバーに入っていたペリシッチの見事なブロックに阻まれた。

何とか90分で決着を付けたいスペインは、よりリスクを冒してイタリア戦に続く土壇場でのゴールを目指したが、アセンシオらのシュートは枠を捉え切れず。初優勝の行方は延長戦に委ねられることに。

延長戦ではPK戦突入致し方なしという慎重な戦いを見せるクロアチアに対して、スペインが攻勢を仕掛けていく。だが、押し込んでからのダニ・オルモやロドリのシュートは相手の身体を張った守備にことごとく阻まれる。ただ、スペインもクロアチアが狙うカウンターやセットプレーを冷静に封じ、0-0のまま120分の戦いが終了。決着はPK戦で付けられることになった。

タイトルを懸けたPK戦では互いに3人ずつ成功した中、先攻のクロアチアの4人目のマイェルのシュートをGKウナイ・シモンが見事にセーブ。後攻のスペインは4人目のアセンシオが決めるも、5人目のキッカーとなったラポルテのシュートがクロスバーを叩いて、ここまでの流れを踏襲する形でPK戦もサドンデスに突入した。

しかし、クロアチアの6人目となったペトコビッチのシュートを再びウナイ・シモンが見事な反応で止めると、スペインの6人目となったカルバハルが圧巻のパネンカを決め切って激闘に終止符が打たれた。

そして、ウナイ・シモンの見事な2つのPKストップで激闘を制したスペインが前回大会準優勝の悔しさを払しょくする大会初優勝を飾った。一方、善戦もまたしてもタイトルにあと一歩届かなかったクロアチアは、今大会後の代表引退が噂されるモドリッチの有終の美を飾ることができなかった。

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