悔しさにじませる石川遼 7回目の全米オープンで浮き彫りにした課題

7度目の全米オープンは、連日悔しさをにじませる一週間になった(撮影/中野義昌)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 最終日(18日)◇ロサンゼルスCC(カリフォルニア州)◇7423yd(パー70)

石川遼は2年ぶり7回目の全米オープンを通算14オーバーで終えた。「きょうもなんとかいいゴルフができるかなと思ったけど、後半に崩れてしまって。最終日にリベンジを、とアンダーで回れればと思っていた」。3バーディ、5ボギー1ダブルボギー「74」のプレーは曇天のようなわだかまりを残した。

65人が進んだ週末は2サムでのラウンド。トップスタートの選手はシングルプレーになる中で、石川はコースディレクターのトム・ガーディナー氏と同伴で回った。マーカー役を歩いて帯同させるか、一緒にプレーするかはプレーヤーの判断に委ねられ、「やっぱり一緒に回る人がいたほうが絶対に回りやすい。グリーンスピードなども判断材料にもなりますし」と珍しいプレー状況で攻略に集中した。

同伴プレーヤーとしてコースディレクターのトム・ガーディナー氏(右から2人目)と回った(撮影/中野義昌)

後半10番のように、残り98ydからピンそば1m強につけられればバーディを奪える。ただ、このコースでは500yd以上のパー4もある。「(ショットでのチャンスメークが)200ydでのロケーションなどでは考えていなくて。そこはちょっと甘かったかな。でも、(松山)英樹は3日目の7番、277ydでも3Wで入りそうなショットもありましたし、練習ラウンドの時もUTでも3Wでもピンに“筋って”いた。これから絶対に避けられない道だと思う」と浮き彫りした課題に向き合った。

ただ、72ホールをやり遂げて、得られた手応えはある。予選を通れるか通れないかの瀬戸際で出した、2日目の最終9番(パー3)でアイアンショットは「気持ちに頼らないで、練習してきた通りのショットができた」

ショットの課題をよりクリアにして帰国する(撮影/中野義昌)

会場を離れた後は、すぐに日本に帰国する。22日開幕の日本ツアー「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品」(栃木・西那須野CC)のエントリーを済ませており、翌週の「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」(北海道・ザ・ノースカントリーGC)も出場と過密日程が組まれている。

メジャーの舞台は「自分の基準よりも上のショットを求められているような気がしてしまう」というが、米国を目指す意思に揺らぎはない。「上しか目指していない。めちゃくちゃ強くなれれば、どこの舞台でやっても関係ないけど、やっぱりこっちで長くやれるようなレベルまで自分を持っていくことがモチベーションになっています」。大舞台での経験を噛みしめて、再出発する。(カリフォルニア州ロサンゼルス/石井操)

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