バスで届いた大丸神戸店のデパ地下グルメ、飛ぶように売れる人気 貨客混載で兵庫・三田へ 朝から住民が行列

多くの地元住民らがデパ地下グルメの出張販売を楽しんだ=パスカルさんだ一番館

 乗客とともに荷物を運ぶ神姫バス(兵庫県姫路市)の「貨客混載」の取り組みを生かし、大丸神戸店(神戸市中央区)のデパ地下グルメを出張販売する催しが17日、JA兵庫六甲の直売所「パスカルさんだ一番館」(三田市川除)であった。お目当ての品を求めて朝から多くの地元住民らが列をつくり、販売開始時間を早めるほどの大盛況だった。(橋本 薫)

 神姫バスの貨客混載事業は2021年、三田市で本格的に始めた。人口減少やコロナ禍などで厳しさを増す路線バスの維持や、高齢で車の運転ができなくなった農業者への支援などを目的に、高平地区の農産物をパスカルさんだに運んできた。

 出張販売会は同事業の一環で、昨年9月に宍粟市で初めて開催し、今年5月の洲本市に続いて第3弾となる。百貨店やJAとの共同企画に、神姫バスの担当者津村拓也さん(35)は「バス会社だけでできることは限られる。いろんなプレーヤーを巻きこまないと」と話す。高齢者らにとっては、外出目的につながる効果もあるという。

 この日、三宮バスターミナルで神姫バスの三田駅行き路線バスに商品が積み込まれ、大丸神戸店の販売スタッフも乗車。パスカルさんだには、マイスター工房八千代(多可町)の名物「天船巻きずし」や老祥記(神戸市中央区)の豚まん、シュークリームやバウムクーヘンなど、大丸神戸店の食品担当バイヤーが厳選した商品が並んだ。

 午前9時ごろから買い物客が並び始め、9時半には約100人が列をなした。10時ごろからの販売予定時間を前倒しすると、商品は飛ぶように売れていった。

 母親と訪れ、1時間弱並んだという保育士の女性(43)=三田市=は「予想以上の人だったが、こういうイベントは新鮮でいい。わざわざ神戸に行かずに買えるので、半月に1度くらいやってくれたら」と満足そうだった。

 秋には、三田市の農産物や特産品を路線バスで運び、大丸神戸店で販売する予定。どちらの取り組みも定期的な開催を目指す。

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