年間2万人以上訪問、広さは2200平方m…夫婦で始めた姫路ばら園、夫の後継ぎ20年超 「喜ぶ顔が見たい」一心で

姫路ばら園オーナー・上野昭子さん

 赤やピンク、白に黄色…。750種3300株の花に包まれるような園内を見渡す。「姫路ばら園」(兵庫県姫路市豊富町豊富)の2代目オーナーとして20年以上、毎年春と秋に開園してきた。約2200平方メートルの洋風庭園は、年間2万人以上が訪れる名所となっている。

 1977年、親族の不幸に接した夫の故・修さんが「弔いの花を」と、所有していた自宅近くの空き地を整備。当時は300株程度で、料金も無料だった。「ガーデニングの延長みたいな感じだった」とほほ笑みながら振り返る。

 「庭を花いっぱいにして、来た人を喜ばせたい」と、一目ぼれして購入した品種などで数を増やし、夫婦二人三脚で規模を拡大させた。2001年に修さんが亡くなり、後を継いだ。「2人の子どもは大学生。春バラが満開のころで、営業をやめることは考えなかった。25年近く2人でやってきたし、継ぐなら自分だろうと思った」

 引き継いだ当初は「お金や手間もかかるし、3~5年で閉園しよう」と考えていた。だが「お客さんの喜ぶ顔が来年も見たい」と思ううち、気がつけば22年目に。

 見て帰ってもらうだけでは忍びないと、オリジナルローズティーやシャーベットを考案した。つるバラが写真に映えるよう、背の高い柵を増やし、一息つけるテーブルや椅子も増やすなど、試行錯誤は尽きない。

 義理の娘の協力でブログを始め、若い来園者も増えた。「娘が継ぐと言ってくれている。自分も体が動く限り続けたい」。早くも秋の開園を見据える。(成 将希)

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