セルフレジのチップに疑念 米で論争、コロナで省力化

米首都ワシントンのカフェで、チップの金額を提示するタッチパネル=5月(共同)

 【ワシントン共同】レストラン従業員らのサービスに料金を上乗せして支払うチップを巡り米国で論争が起きている。新型コロナウイルス流行をきっかけにセルフレジ導入で省力化が進みながら、店側が当然のようにチップの支払いを求めているからだ。「何のためのチップか」と消費者から疑念が高まっている。

 空港や野球場の売店、カフェなどで支払いのためレジのタッチパネルに触れると、画面に「18%」「20%」「25%」などと、加えるチップの割合が選択肢として表示される。

 米国では、コロナ禍で人との接触を避ける対策としてセルフレジが増加した。人手不足も普及を加速した。かつてはレジの前の小瓶におつりを入れる程度だったコーヒーショップなどで、セルフレジ決済が一般的なチップの支払い方となった。

 事前にスマートフォンなどで会計を済ませ、商品だけを店で受け取る客にもチップの選択肢が示される。最近はチップを求められる場面が増えたことに疑念が相次ぎ、拒否する人も出ている。

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