天寿国しゅう帳の図柄を衣服に 中宮寺、京都の作家が奉納

中宮寺で公開されている国宝「天寿国☆(糸ヘンに肅)帳」の図柄を復元した衣服をまとった聖徳太子二歳像=13日、奈良県斑鳩町

 国内最古の刺しゅうとされる中宮寺(奈良県斑鳩町)の国宝「天寿国しゅう帳」の図柄を復元した衣服が奉納され、同寺で9月30日まで一般公開されている。平安時代から続く京都の伝統工芸「京ぬい」の第一人者である長艸敏明さんが制作した。奉納に先立ち、5月に私的旅行で寺を訪問した上皇ご夫妻も鑑賞されたという。

 天寿国しゅう帳は、聖徳太子の死を悼んで死後の仏の世界を描いた7世紀の刺しゅう。寺に伝わる聖徳太子二歳像にまとわせる衣服の新調を機に、奈良国立博物館(奈良市)の監修のもと、古代の技法や色調を再現し、約20年前から繍帳の復元研究に取り組んでいる長艸氏が他の染色作家らと共に仕立てた。

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