野鳥のバン、西宮のため池で子育て奮闘中 親子で羽繕い、ほほ笑ましく

水浴びの後、羽を乾かすバンの親子=西宮市内

 黒い体に赤と黄のくちばしが映える野鳥バンが、兵庫県西宮市内のため池で子育てをしている。2羽の親鳥と1羽のひなが水面を泳いだり水浴びをしたりと、ほほ笑ましい姿を見せている。

 クイナ科で、成鳥はハトぐらいの大きさ。全国に分布し、草の生えた水辺に生息する。

 日本野鳥の会会員の尾崎由紀さん(58)=兵庫県伊丹市=によると、1回に5~10個の卵を産むバンは、この時季から秋にかけて3回繁殖することもある。早く生まれた幼鳥が、後から生まれるひなの世話を手伝う習性もあるという。

 まだ羽毛の短いひなながら、水浴びの後は親鳥と同じように羽繕いをしていた。親鳥の姿が見えなくなり不安げに「ピィ、ピィ」と鳴き続ける場面もあった。

 尾崎さんは「天敵のカラスなど、いろいろな困難を乗り越えての繁殖成功。皆さんで温かく見守ってほしい」と話した。(吉田敦史)

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