さまよう本会議場、どこへ 兵庫県議会、再度移転を検討 耐震不足→移転先は「狭い」「傍聴席少ない」

耐震性能不足から使用中止が決まった兵庫県議会の本会議場=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県議会の内藤兵衛議長は19日、耐震強度不足の本会議場に代わって6月の定例会で利用した県庁3号館の大会議室について、議会内でも「狭い」「傍聴席が少ない」などの声が出たことを踏まえ、各会派の「代表者会議」で今後の在り方を検討する考えを示した。7月中旬をめどに、次回の9月定例会以降の方向性をまとめる。

 本会議場が入る議場棟は県による昨秋の耐震診断で強度不足が判明し、地震の規模によっては倒壊の恐れもあるとされた。県議会は緊急措置として隣接する3号館大会議室への議場移転を決めたが、面積は従来の6分の1と狭く、傍聴席も208席から10席に減った。

 6月定例会では、質問に立った議員から、傍聴機会の確保などを求める声が相次いだ。内藤議長は19日の閉会後に会見し「課題を踏まえ、代表者会議で議論をスタートさせる」と表明。議場を変更する場合、次の候補には近くの県公館が挙がるが、移転に伴う環境整備など「経費の問題も出てくる」とした。

 今後、県当局も交えて3回程度の会合を開き、7月中旬に一定の結論をまとめる。県議会事務局によると、昨年6月の定例会では一般質問と各会派の代表質問に2日間で延べ44人が傍聴に訪れ、今定例会は4日間で延べ30人だった。(田中陽一)

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