山陽新幹線に太陽光発電の再エネ電力を導入 JR西日本、国内初 岡山以西で中国電力が供給

国内の新幹線で初めて再生可能エネルギー由来の電力が導入される山陽新幹線の車両(JR西日本提供)

 JR西日本(大阪市)は19日、山陽新幹線に太陽光で発電した電力を導入すると発表した。中国電力(広島市)がJR西専用の太陽光発電設備を設け、岡山、広島、山口各県の新幹線用変電所で供給を受ける。2025年度までに受電を始める。新幹線運行に再生可能エネルギー由来の電力を使うのは全国初という。

 今回、新設の太陽光発電設備からは、27年度までにJR西が運行する新幹線運転に使う全電力の約10%を賄う計画。

 兵庫県内など他の区間への拡大について、同社の久保田修司イノベーション本部長は「まだ決まった計画はないが、今後(再エネを使うエリアが)広がる可能性はある」とした。

 同社によると、今年7月から太陽光発電設備が整備され順次供給が始まる。同社の新幹線運行には年間約14億キロワット時の電力が必要。太陽光由来電力の導入により、27年度末時点で一般家庭約2万世帯分に相当する年間約6万1千トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を見込む。脱炭素に向けた取り組みを中国電と協議する中で、同社から提案を受けて実現した。

 JR西は、大阪環状線と桜島線の列車運転に関し、27年度としていた実質再エネ由来電力の100%化を23年度末に前倒しで実現できることも明らかにした。関西電力(大阪市)が整備する専用の太陽光発電設備から電力供給を受ける。太陽光で賄えない分は、同社から非化石証書付きの電力を購入する。(大島光貴)

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