河井夫妻の大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判です。19日の元県議の裁判では、克行氏に対して実施された「出張尋問」の内容が一部明らかになりました。
元県議の 佐藤一直 被告は、4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里氏を当選させる目的と知りながら夫・克行元法務大臣から現金30万円を受け取った罪に問われています。
19日の被告人質問で佐藤被告は、克行氏から受け取った現金の趣旨は「(佐藤被告が県議選に当選したことに対する)当選祝いだと思った」と説明しました。
この日の裁判では、先月、服役中の克行氏の元に裁判官らが出向いて非公開で尋問をする「出張尋問」を実施し、克行氏が佐藤被告に現金を渡したときの状況やその趣旨を確認したことが一部明らかにされました。
佐藤被告は弁護側から、「出張尋問」での克行氏の証言を聞いてどう思ったか問われるとー。
「やはり私たちのやりとりは買収ではないと、克行氏もそう言ったので、そう思いました。克行氏が、『(佐藤被告が)無所属でやっていたので票のとりまとめには期待できないけれど、若手ががんばっているので応援したかった』という証言をしていたのが印象に残った」と話しました。
克行氏の尋問にも立ち会った佐藤被告の弁護人によりますと、克行氏は佐藤被告との現金のやりとりについて、「買収ではない認識だ」という趣旨の証言をしたということです。
克行氏への尋問は、検察側の請求で5月、実施されていました。
来月には、広島市議らの公判に克行氏が出廷し、証人尋問が行われる予定もあります。