産後のママ、温泉で体を癒やして 別府市の助産師らの団体がサービス提供【大分県】

ままの輪の産後ケアサービス。赤ちゃんの世話に追われる母親を、助産師たちが手厚くサポートする=別府市上原町のいちのいで会館

 【別府】温泉で産後の体を癒やしませんか―。子育て中の母親や助産師でつくる団体「ままの輪」(別府市、矢野妙子代表)が、市内の温泉施設と連携した産後ケアサービスを始めた。日頃、赤ちゃんの世話に追われる母親を、助産師たちが手厚くサポートしている。「ゆっくりと温泉や食事を楽しむことができる」と好評だ。

 代表の矢野さん(45)は同市で助産院を営み、母親の授乳や赤ちゃんの発達に関する悩みに応じてきた。コロナ禍では感染リスクを心配して外出を控える母親が精神的に追い詰められるケースもあった。

 「赤ちゃんの世話に追われ、ゆっくりお風呂にも入れない」という母親の声をヒントに、別府らしい温泉を活用したサービスの提供を思いついた。仕出しも提供する上原町の「いちのいで会館」を会場に、5月に活動を始めた。

 助産師や子育て支援員と会話した後、赤ちゃんと離れ、母親だけで露天風呂に入浴してもらう。昼食、マッサージもある。独立行政法人福祉医療機構の助成を受け、利用は無料。

 週1~2日程度の開催で、5月は市内外から9組18人の親子が利用した。6月中旬の活動には3組6人の親子が参加。お母さんたちは貴重な1人だけの入浴タイムを楽しんだ。親子の写真撮影会もあった。

 生後後9カ月の長女花ちゃんと参加した高見麻衣子さん(33)=同市上田の湯町=は「産後1人で温泉に入ったのは初めて。子どもを安心して預けることができる。家庭のことも気にせずリラックスした気持ちになれた」と笑顔を見せた。

 矢野代表は「子育て中の親の多くが何かしらの悩みを抱えている。このような産後ケアが誰でも気軽に受けられるようにしたい」と話している。

 対象は県内在住で、1歳未満の赤ちゃんの母親。父親も一緒に参加できる。問い合わせは、レストハウスやの助産院(0977.26.5231)。

© 有限会社大分合同新聞社