姫島村の小型EVレンタル事業、EST交通環境大賞に 離島の排ガス削減評価【大分県】

姫島エコツーリズムが貸し出している小型EVや電動キックボード=姫島村

 【姫島】姫島村の一般社団法人姫島エコツーリズムなどによる電気自動車(EV)事業が、第13回EST交通環境大賞の大賞(国土交通大臣賞)に輝いた。島内観光をする人たちに小型EVをレンタルし、排ガスを削減する取り組み。同法人は「移動手段が少ないという離島の課題解決にもつなげたい」と国内外への普及を見据えている。

 同賞は公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団などが主催。「環境的に持続可能な交通(EST)」の普及促進を目指し、地域の優れた交通環境対策を表彰している。本年度は全国から16件の応募があった。

 同ツーリズムは村出身の寺下満さん(50)が代表理事を務め、自身が経営するT―PLAN(中津市)が事務局となっている。

 事業は同社のノウハウを生かし、2015年から島内で環境に優しい2人乗りの小型EVなどを観光客向けにレンタルしている。車両は島民の診療所送迎などにも活用している。

 第8回大賞(17年度)では奨励賞を受けた。今回、利用者が着実に増えている点や、太陽光発電による使用電力の自給自足が進んだことが評価され、最高賞を獲得した。

 同社は関連する取り組みとして、国際協力機構(JICA)の中小企業海外進出支援事業を活用し、太平洋の島国パラオでEV導入を進めている。既に試験的に2台を貸し出している海外展開も受賞理由となった。

 表彰式は7月18日、東京で。寺下さんらによるパネルディスカッションなどが予定されている。

 寺下さんは「今後も事業を進め、姫島を先進的なエコアイランドとして発信していきたい」と話している。

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