約350年前から続くとされる「池下(いけしも)ペーロン大会」が18日、諫早市飯盛町の池下漁港であり、市内3チーム約100人が海上で熱い戦いを繰り広げた。
地元住民でつくる池下ペーロン保存会(西海哲郎会長)が、航海安全や大漁祈願、子どもたちの初節句の祝いなどを目的に、旧暦の端午の節句近くの日曜日に開催している。コロナ禍を挟み4年ぶり。
大会前には約70組の親子がペーロンに乗り、子どもたちの健やかな成長を祈願した。
開会式で、池下・諫早市商工会合同チームの前田大輝さん(38)が「伝統ある歴史を胸に、4年ぶりの大会となる喜びをかみしめながら、正々堂々と戦う」と宣誓。各船と陸をつないだ綱をなたと木づちで切る独特な「綱切り」で一斉にスタート。沖合で折り返す約1キロのコースで、参加者は勢い良く銅鑼(どら)や太鼓を打ち鳴らしながら、息の合ったかいさばきを披露した。
西海会長は「今年開催できなければ存続の危機に関わる事態だったので、無事開催できうれしい。地元の伝統が色濃く残っている大会なので、次世代にしっかりと引き継いでいきたい」と話した。
伝統350年 諫早・池下ペーロン「綱切り」で海へ 100人熱戦
- Published
- 2023/06/20 11:10 (JST)
- Updated
- 2023/06/21 13:08 (JST)
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