不妊治療、岩手県内で受診増加 保険適用1年、仕事との両立課題

県内外から治療希望者が訪れる京野アートクリニック盛岡。不妊治療の保険適用が始まった昨年度から医師2人体制で患者を支えている=盛岡市盛岡駅前通

 不妊治療の体外受精などへの公的医療保険が昨年適用され、岩手県内の医療機関の患者数が増えている。20代や30代前半の若い世代が目立つように。一連の治療費が以前の半分ほどとなることもあり、患者からは歓迎の声が聞かれる。その上で医師は「雇用主の理解が依然進まず、仕事との両立に悩む患者は多い」と指摘。不妊治療休暇を設ける企業も出てきたが、理解を広げ、仕事との両立に配慮する仕組みづくりが求められている。

 盛岡市の盛岡駅前の京野アートクリニック盛岡(熊谷仁院長)には、県内外の患者が連日訪れている。治療数の目安の一つとなる採卵数は、4月から保険適用となった2022年が約650件。前年から約100件増えた。これまでの公的助成の回数制限(6回)を過ぎた患者が再来院したケースも。22年4月には医師を2人体制にした。

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