国家公務員の宿泊料改定へ 海外出張、円安で40年ぶり

霞が関の官庁街(右奥は国会議事堂)

 財務省は、国家公務員が海外に泊まりがけで出張した際に支給する宿泊料の規定を1984年以来、約40年ぶりに改定する方針だ。昨年から始まった歴史的な円安と物価高で、現行の規定額では不足するケースが増えているため。実費支給と足りない地域の規定額引き上げの2案を軸に検討し、財務省が所管する旅費法の改正案を2024年の通常国会に提出することを目指す。

 現行の規定額は、最も高い米ニューヨークや英ロンドンなどが課長で2万2500円、課長補佐で1万9300円。規定額に収まらない場合、職員を出張させた各省庁が財務省と協議し、足りない分を補う仕組みがあるが、不足額が少ない場合などに、職員が書類の準備などが煩雑だとして申請せず、自腹で穴埋めする事例も指摘される。

 財務省内には、実費支給にすると、必要以上に高級なホテルに泊まる職員が出て支給額が増えかねないとの懸念がある。青天井にならないための対策も検討する。

 日本国内の宿泊代も訪日客の増加を背景に値上がりしているため、国内出張時の規定も見直しを検討する。

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