「物価高にコロナ禍の影響…給食費は負担に」高まる無償化要望 なぜ対応分かれる?=静岡

全国でも子育て世代の負担軽減を目的に学校給食を無償化する動きが相次ぐ中、静岡市の市民団体が6月20日、市議会に対し無償化を求める請願書を提出しました。静岡県内では各市町で対応が分かれていますが、給食の無償化に踏み切れない壁とは?

<児童たち>

「いただきます」

御前崎市立浜岡東小学校の5年生のクラスです。20日の給食は地元食材の「遠州夢咲牛」を使用したメニュー。子どもたちも大喜びです。

<児童>

「めっちゃおいしいです。肉がおいしい」

Qどれくらい食べる?

「(いつも)5杯は食べる」

Qどんな給食が好き?

「1番だったらカレーかな」

子どもたちがおいしそうに食べる給食。御前崎市では保護者の負担なしの「無償」で提供されているんです。子育て世代にはありがたい取り組みに保護者は…。

<小学2年生と小学1年生の子を持つ親>

「だいぶ違います。上に姉がいるがその時はまだ(給食費を)払っていたのでだいぶ違います」

<小学6年生と小学1年生の子を持つ親>

「習い事などにお金掛かったりするので浮いた分は助かっている」

<御前崎市 栁澤重夫市長>

「子育て支援、保護者の負担軽減を発信し、御前崎市の魅力、それによって移住定住の促進につなげたい」

御前崎市は、子育て世代へのアピールを目的に2020年度以降、公立に通う3歳以上の園児から中学生までの子どもの給食無償化を実施していて、2023年度は約2750人が対象になっています。この学校給食無償化を巡り静岡市で動きが。

<静岡市よりよい学校給食をめざす会の請願>

「静岡市においても小中すべての学校の給食費を無償化することを求めます」

静岡市の市民団体が20日、給食費の無償化を求めて市議会の井上議長に請願書を提出しました。4月下旬から2か月で集めた署名は8074筆にも上り、市民団体は無償化に対する保護者の関心は高く、少子化対策のためにも重要だと訴えます。

<静岡市よりよい学校給食をめざす会 中澤秀一代表>

「昨今の物価高やコロナ禍の影響で親の経済力がどんどん下がる中でなかなか給食費を支払えない」

全国的にも無償化の流れは進みつつありますが、県教育委員会によりますと、県内で給食費の無償化に踏み切った自治体は、御前崎市、小山町、西伊豆町、河津町のわずか4市町です。どの市町も園児から中学生までの生徒を対象に給食を無償化。共通しているのは、対象となる子どもの数が限られているため予算規模が抑えられている点です。

一方で静岡市が無償化した場合は、小中学生あわせて4万5千人に上り、予算は年間で約24億円に膨らむ見込みです。

<静岡市教育委員会学校給食課 朝比奈直樹参与兼課長>

「非常に額が大きいものですから、税金でどうやって捻出するか、市の財政から捻出するか非常に難しい問題」

各市町で事情が異なる中、それぞれの今後の動向に注目です。

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