糸魚川市能生の弁天浜で18日、海と陸から大地の成り立ちを学ぶ体験会が行われた。カヤックに乗って弁天岩周辺を巡る「ジオカヤック」体験では、参加者が海上から接近した迫力ある景観を堪能した。
糸魚川ジオパーク協議会主催、B&G能生海洋クラブが共催し、昨年に続けて実施。午前、午後の3回に分けて行い、市内外からグループや個人など子どもから大人まで合わせて31人が参加した。
カヤックの経験はほとんどが初めてで、同クラブのメンバーからパドルの扱いやこぎ方を教わって挑戦。快晴に恵まれ、穏やかな海面を滑るように進んだ。
カヤック体験の前には、市学芸員による案内と解説でジオサイト見学。能生白山神社を訪れ、海に架かる曙橋を渡って弁天岩に登り、それぞれ現地に立って地質や自然、文化について学んだ。
米国・カリフォルニアから訪れた家族連れは「海がすごくきれい。(カヤックは)真っすぐ進むのが難しかったけど、楽しい体験プログラム」と満喫。同家族ら共に参加し、ワーケーションの縁でこれまでにも東京から同市を訪れているという女性は「海底火山の噴火でできた(弁天岩の)100万年前のロマンが感じられた」と喜んだ。
今年は新たに糸魚川産業創造プラットフォーム「美山プロジェクト」も参加協力した。同市の美山公園を拠点に縄文遺跡と文化を楽しみながら体験できるプログラムなどを展開しており、同日は縄文式丸木舟を出して古代の暮らしの体験を提供した。
同協議会では「カヤック、大地、縄文文化がプラスされた糸魚川ならではの取り組みに」と今後の継続や交流の広がりに期待を寄せた。